質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第一六五号

危機管理の観点からの麻生総理大臣の携帯電話に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年五月十四日

加賀谷 健   


       参議院議長 江田 五月 殿



   危機管理の観点からの麻生総理大臣の携帯電話に関する質問主意書

 米国のオバマ大統領は就任前、携帯電話やメールを「中毒」と言われるほど活用されていたことが有名だ。しかし、米国政府は就任後、機密保持、危機管理面からその使用を「上級スタッフやごくわずかな個人的な友人」に制限し、かつスパイ防止型の携帯端末「バラクベリー」を持たせることになった、と報道されている。また、ギリシャでは二〇〇四年三月から一年間にわたり首相ら政府首脳の携帯電話が盗聴されていたことが発覚した、と報道されている。さらに、携帯からの微弱電波をたどって誘導ミサイルが撃ち込まれ、暗殺される危険もあると言われている。一方、米国連邦法では大統領の通信記録は保存が義務付けられ、議会や裁判所からの提出命令対象となっているという(本年一月二十四日付毎日新聞等)。
 そこで、政府の危機管理の観点から、麻生総理大臣の携帯電話について、以下のとおり質問する。

一 元警察庁国際部長の大貫啓行・麗澤大学教授は「会話はすべて傍受されているはず」、「米国をはじめ通信傍受能力を有している先進情報諸国から首相官邸、携帯電話、自宅の電話など傍受されているという前提で行動しなければなりません」(週刊ポスト二〇〇八年七月十八日号)と指摘しているが、これらの指摘について政府の見解と対策を示されたい。

二 ジャーナリストの上杉隆氏による前述の週刊誌記事では、現在の官邸は「通信状況は極めてクリアであり、地下の危機管理センター以外は一般の場所と同じように携帯電話は使用できます」、「驚くべきことに、首相秘書官をはじめとした官邸スタッフの誰一人、盗聴防止特殊モジュール搭載の携帯電話を持ち歩いていない」とされているが、これは事実か。事実とすれば対策は必要ないのか。

三 麻生総理が日常持ち歩いている携帯電話は何台か。また、それはそれぞれ誰が所有者、契約者となっているのか。通話料金等は麻生総理個人が支払っているのか、それとも公金からの支出か。公金であれば、その支出費目と就任からこれまでの通話代金(パケット通信費等を含む)を月毎に明らかにされたい。

四 麻生総理が日常持ち歩いている携帯電話には前述の盗聴防止特殊モジュール等、情報漏えい対策がとられているのか。とられていないとすればその理由を示されたい。

五 麻生総理が携帯メールを使用した場合、その文書は米国同様情報公開等の対象となるのか。

六 わが国の代表である内閣総理大臣の行動は、その全てが「公」とも考えられる。そこで尋ねるが、麻生総理の「着メロ」は「君が代」か。そうでない場合の「着メロ」は何か。

七 閣議に臨む総理をはじめとする各閣僚は、閣議室に携帯を持ち込むのか。閣議中、着信があった場合、どうしているのか。どのようなルールになっているか、明らかにされたい。

  右質問する。