質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第一一九号

北朝鮮によるミサイル発射に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年四月六日

喜納 昌吉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   北朝鮮によるミサイル発射に関する質問主意書

 北朝鮮による四月五日のミサイル発射に対し、日本政府はミサイル防衛(MD)システムを事前配備し、非常時に備えた。この件も含めて、以下質問する。

一 今般のMD配備・展開、関係要員配備、移動など、北朝鮮ミサイル発射に備えた措置に費やした防衛費・国費は総額幾らか、明らかにされたい。

二 MD配備に関しては、連日のように配備や移動の映像が流れるなど、防衛の手の内を相当に明らかにしてしまったきらいがないとは言えない。なぜ、このような大がかりで「開けっぴろげな」報道を政府が認めたのか、その意図や狙いを明らかにされたい。

三 今回の北朝鮮ミサイル発射に対する日本政府の反応について「騒ぎすぎ」との指摘が世論にある。何らかの意図がなければ、このような「騒ぎすぎ」は起きない。政府は、この点をどう考えるか、明らかにされたい。

四 人気が低迷している麻生政権が、北朝鮮によるミサイル発射を機に世論を煽って「国論をまとめ、内閣支持率を上げようと望んだ」との分析もある。この点について、見解を明らかにされたい。

五 国内には軍産複合体、自衛隊関係者などの間に、北朝鮮ミサイル発射を逆手にとって、MD配備を増強するとか、ミサイル開発を促進するとか、軍拡を促そうと図る勢力がいるとする分析もある。そのような方向に進むのを是とするか否とするか、回答されたい。

六 北朝鮮を「仮想敵国」視し続け、いたずらに軍備に巨費を投じるという愚を犯すことよりも、一時も早く国交を正常化させ、戦前の植民地支配の賠償を支払って、過去に一定の決着を付け、未来に向けて平和友好関係を構築していく方が建設的であるとの意見もある。今回のミサイル発射を受けて、対北朝鮮外交はどのように変化するのか。

  右質問する。