質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第九五号

公職選挙法におけるインターネット選挙運動の規制に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年三月三十日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   公職選挙法におけるインターネット選挙運動の規制に関する質問主意書

 年内に衆議院選挙が予定されるが、選挙におけるインターネットの活用については議論が全く進んでいない。総務省が平成十四年に公表した「IT時代の選挙運動に関する研究会-報告書-」においては選挙におけるインターネット利用の効果として、①候補者情報の充実、②政治参加の促進、③有権者と候補者との直接対話の実現及び④金のかからない選挙の実現としている。また、アメリカ大統領選挙においてもインターネットの利用が大きく進んでいる。このような状況に鑑みインターネット選挙運動について以下質問する。

一 公職選挙法では文書図画の頒布について第百四十二条で規定している。選挙運動のために使用する文書図画は、同条に規定される通常葉書、ビラ以外に頒布することが禁止されている。ここに言う文書図画とは「文字若しくはこれに代わるべき符号又は象形を用いて物体の上に多少とも永続的に記載された意識の表示」とされている。そのため、インターネット上のホームページや電子メールは、コンピューター等のディスプレイ上に表示された文字等の意識の表示に当たり、本条文の文書図画とみなされている。この文書図画の解釈を変更すべきだと考えるが政府の見解を示されたい。

二 また、公職選挙法第百四十二条に言う頒布とは、不特定又は多数の者に配布する目的で、その内の一人以上の者に配布することを言う。つまり、不特定又は多数の者の利用を期待してホームページを開設・書換えすること、不特定又は多数の者に電子メールを発信することは、ここに言う頒布とみなされるとされる。この解釈も変えるべきだと考えるが政府の見解を示されたい。

三 公職選挙法第百四十三条は、選挙運動のための文書図画の掲示を規制している。同条第二項においては、アドバルーン、ネオン・サイン又は電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為をすべて禁止しているが、コンピューターのディスプレイにホームページや電子メールを表示させ、一定の場所に掲げ人目に触れるようにすることは「映写等の類」の掲示となってしまうのか。その考え方を示されたい。

四 総務省が平成十四年に公表した「IT時代の選挙運動に関する研究会-報告書-」以降選挙におけるインターネットの利用の検討を行っているか。また、今後行うことを検討しているか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。