質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第三七号

裁判員制度における辞退事由に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月十日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   裁判員制度における辞退事由に関する質問主意書

 本年五月二十一日より裁判員制度が開始される予定となっている。
 裁判員制度が、憲法第十九条が保障する思想・良心の自由に抵触するのではないかという疑問に対し、政府は、辞退事由を定める「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律第十六条第八号に規定するやむを得ない事由を定める政令」(以下「政令」という。)第六号の「(前略)精神上(中略)の重大な不利益が生ずると認めるに足りる相当の理由がある」場合に該当する時は、辞退が認められ得ると考えられ、思想・良心の自由に抵触しないとしている。しかしながら、政令のままでは裁判員として想定されている「法律に詳しくない一般の方」にとっては、どのような場合に辞退が認められるのかを解釈することは難しいと考える。
 そこで以下、質問する。

一 政令の制定に当たり、平成十九年十月の記者会見において鳩山法務大臣(当時)は、思想・良心の自由という客観的に判断しにくい辞退事由に係る規定について、コンメンタールの作成に否定的な見解を述べている。しかし、どのような基準で辞退事由として認めるのか、明確な基準を示すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 最高裁判所が昨年の十一月から十二月にかけて裁判員候補者に対して送付した調査票には、年間を通じて裁判員になることを辞退できる場合の事由及び裁判員になることが特に難しい特定の月がある場合に辞退を申し立てることができる事由が記載されているが、最高裁判所が調査票を送付するに当たり、政府は最高裁判所とこれらの事由の分類について協議を行ったのか。また、協議を行ったか否かを問わず、どのような場合に辞退事由として認められるのか、明確なガイドラインを作成すべきと考えるが、政府が自ら作成し、又は最高裁判所が作成することにつき、最高裁判所と何らかの協議を行う考えはあるか。

  右質問する。