質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第三一号

沖縄駐留米海兵隊のグアム移転に伴う日米協定に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月五日

糸数 慶子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   沖縄駐留米海兵隊のグアム移転に伴う日米協定に関する質問主意書

 報道等によると外務省は本年一月二十七日、在日米軍の再編に伴う沖縄駐留米海兵隊のグアム移転に関し、「在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定」(以下、「移転協定」という。)を米側と結ぶ方針を明らかにし、今国会で承認を求めるとしている。移転協定の締結は、日本側の財政支出(真水)の上限を二十八億ドル(約二千五百億円)と明記したうえで、米側の目的外使用を禁じ、予算執行の透明性を高めるのが狙いとされている。しかし、移転協定の締結の真の目的は、沖縄県辺野古への新基地建設等、不確定要素の多い在日米軍再編にあって、現麻生自公政権の下で財政支出を確固たるものとし、日米同盟の維持、強化を図るための「駆け込み協定」の感は否めない。そこで以下、質問する。

一 移転協定の必要性、移転協定の承認を今国会中に求める理由について政府の見解を示されたい。

二 移転協定の骨子を明らかにされたい。

三 移転協定において日本側の財政支出の上限を二十八億ドルとした根拠を示されたい。

四 二十八億ドルの日本側負担とされる「司令部庁舎」「教場」「隊舎」「学校等生活関連施設」の四事業の内容について、それぞれの負担額と、その積算根拠を示されたい。

五 「司令部庁舎」「教場」「隊舎」「学校等生活関連施設」の四事業については、これまでその事業内容や負担額、積算根拠等が明らかにされていないが、移転協定においては詳細に明記し、予算の適正使用、目的外使用の禁止を図るのか、明らかにされたい。

六 政府は、米側に対し予算の適正使用をどのような方法で確認し、どのような文言で目的外使用の禁止を義務づけるのか、具体的に明らかにされたい。

七 移転協定は、米側に対し予算の目的外使用を禁じ、義務を課すことになると理解されるが、目的外使用の意味するところを明らかにされたい。

八 過去において米側の不適切な予算の使用や目的外使用があったのかどうか、明らかにされたい。

九 移転協定は本年二月上旬にも日米間で署名される見通しのようだが、米側との交渉等、署名に至る経緯を明らかにされたい。

十 本年二月一日には中曽根弘文外相が沖縄県を訪問、仲井眞弘多知事と会談し、移転協定の趣旨を説明したようだが、その発言内容を明らかにされたい。

  右質問する。