質問主意書

第171回国会(常会)

質問主意書


質問第二四号

ホームレス対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十一年二月三日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   ホームレス対策に関する質問主意書

 ホームレスの支援を行っている方々の話によると、景気の大幅な後退に伴い職を失い住居を失いホームレスとなる人々の数が増加しつつあるという。例えば、仙台市ではホームレスが三割程度増加し、また川崎市においても増加傾向にあると聞いている。
 一方で政府のホームレス自立支援の予算は年間十一億円程度であり増額されておらず、今年度の補正予算においてもホームレス対策事業自体の手当ては行われていない。また、ホームレス自立支援予算における地方自治体への補助率は二分の一となっている。
 景気の後退に伴い地方自治体の税収も落ち込むことが予想され、一方で増加するホームレスへの支援が地方自治体に大きな負担となることが見込まれることから、十分なホームレス支援が実施できなくなることが案じられる。
 また、ホームレスの自立支援において就労支援を行っても就職できない人々が増えている。
 その要因のひとつには不景気により雇用ニーズが大幅に落ち込んでいることもあるが、根底には「最低賃金制度の下で経営者が労働者に求める就労能力と、ホームレスの方々が現に持っている就労能力の間に乖離がある」ことがあると考える。就職できなかった人々は最終的に生活保護の対象となり、就労の意志を尊重することができないばかりか財政への負担の増加となっている。
 これを踏まえて以下質問する。

一 政府に対し、ホームレス対策事業予算の拡大と地方自治体への補助率の見直しの検討を求めたいが、これらに対する見解を示されたい。特にホームレスを収容するシェルターについては完全に収容力を超えており追加の建設が必要であるが、自治体だけでは建設する余力がない。政府は支援の拡大を検討すべきではないか。また、民間のアパートなどを公的機関で借り上げホームレスに提供することなど緊急的な対策への支援も政府が行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

二 ホームレスの雇用については「半福祉半就労」といった観点から公的機関や非営利団体が最低賃金以下の仕事を提供することを検討すべきではないか。
 すでに仙台市においてはホームレスによる公園の清掃を日当二千円程度で行うなどの取り組みを行っており、このような動きを全国に普及させることも検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。