質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


第百七十回国会答弁書第一四九号

内閣参質一七〇第一四九号
  平成二十一年一月九日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員小池晃君提出要介護調査・認定の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小池晃君提出要介護調査・認定の見直しに関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねについては、被保険者の主治の医師は、その医学的知見や診察の際に同行する家族等からの情報に基づき、「暴言・暴行」、「異食行動」など認知症に係る周辺症状等についても十分把握できるものと考えている。

一の2について

 今般の要介護認定及び要支援認定(以下「要介護認定等」という。)に係る調査項目(以下「認定調査項目」という。)の見直しに当たっては、介護認定審査会に適切に情報が伝わるよう、認定調査票に認知症高齢者の日常生活自立度及び障害高齢者の日常生活自立度に関する特記事項の記入欄を設けることとしており、御指摘のようなおそれはないものと考えている。

二について

 今般の介護認定審査会資料の見直しに当たっては、当該資料に中間評価項目得点や認知機能・状態の安定性の評価結果から推計される給付区分を掲載することとしており、これにより、これまでと同等の情報を介護認定審査会に提供し、適正な認定の確保を図ることとしている。
 また、日常生活自立度の組合せによる要介護度別分布、要介護度変更の指標については、これらを参照して行った要介護認定等が適正なものになっていない事例が確認されていることから、今般の見直し後は、介護認定審査会に対して当該指標を提供しないこととしている。

三の1について

 御指摘の電話の利用の項目については、平成十九年度に実施した在宅の者を含む要介護認定モデル事業の結果についても勘案した上で、これを認定調査項目から削除したとしても、一次判定の精度に大きな影響を与えるものではなく、適正な判断の妨げとはならないと判断したものである。

三の2について

 御指摘の「火の不始末」の項目については、要介護認定等の一次判定の精度に大きな影響を与えるものではなく、認定調査項目から削除したとしても適正な判断の妨げになるとは考えていない。

三の3について

 お尋ねについては、そもそも、在宅介護の状況は家族の状況等により様々であり、これらのデータに基づいた標準的な調査・認定の仕組みを構築できるかどうか疑問があること、また、仮に可能であるとしても、これらのデータ収集のためには、調査者が被保険者個人の居宅に一定期間滞在する必要があるため家族等の協力が得られにくいことなどの問題点があると考えている。

四について

 今般の要介護認定等の見直しについては、平成十九年に厚生労働省が実施した高齢者介護実態調査の結果も踏まえ、これを行うこととしており、仮に、見直し後の要介護認定等によって従来より軽度に判定されたとしても、その結果は介護の状況をより的確に反映したものであると考えられる。

五について

 厚生労働省としては、今般の認定調査項目等の見直しについては、一の2について及び四についてでお答えしたとおり、適切なものであると考えており、平成二十一年四月からの実施を延期して、さらに検討を行う必要はないものと考えている。
 なお、見直し後の要介護認定等が円滑に実施されるよう、自治体等に対し、必要な情報の提供等を行ってまいりたい。