質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一三三号

内閣参質一七〇第一三三号
  平成二十年十二月二十六日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員藤末健三君提出農林中央金庫の中間決算に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出農林中央金庫の中間決算に関する質問に対する答弁書

一について

 農林水産大臣及び内閣総理大臣(以下「主務大臣」という。)は、「系統金融機関向けの総合的な監督指針」(平成十七年四月一日付け金監第八百六号・十六経営第八千九百三号金融庁監督局長・農林水産省経営局長通知。以下「監督指針」という。)Ⅱ―三―一―五に基づき、農林中央金庫が会員等から資本を調達することにより自己資本の増強を図る際には、農林中央金庫は農林中央金庫に出資をしようとする者に対して、将来における配当など不確実な事項について、断定的な判断を示したり、確実に配当があるなどと誤解させるおそれのあることを告げていない等適切な説明を行っているか等について監督することとしているところである。

二について

 農林中央金庫に対する検査権限は、農林中央金庫法(平成十三年法律第九十三号)第八十二条第二項及び第八十四条第一項の規定により、主務大臣が有しており、同法第八十二条第九項の規定により、内閣総理大臣の権限は金融庁長官に委任されている。また、同条第三項の規定により、農林中央金庫に対する検査権限は、農林水産大臣又は金融庁長官がそれぞれ単独に行使することを妨げないとされている。
 過去五年間に行った農林中央金庫に対する検査については、農林中央金庫の負担や検査業務の効率性等を総合的に勘案して、農林水産省及び金融庁が共同で実施しているところであり、今後とも検査体制等については、適切に対応してまいりたい。
 なお、農林中央金庫に対する検査は、関係法令、「協同組合検査実施要項」(平成九年十月一日付け九組検第三号農林水産大臣官房協同組合検査部長通知)別添三「預貯金等受入系統金融機関に係る検査マニュアル」(以下「系統金融検査マニュアル」という。)等に基づき実施されており、農林中央金庫の役職員にどのような者が在籍しているかは検査の厳格性にいささかも影響を及ぼすものではない。

三について

 農林中央金庫は、農林中央金庫法第八十一条第六項の規定により、預金者その他の顧客が農林中央金庫及びその子会社等の業務及び財産の状況を知るために参考となるべき事項の開示に努めることとされている。また、主務大臣は、監督指針Ⅲ―四―十一に基づき、農林中央金庫が、積極的かつ正確な情報開示、利用者・投資家に分かりやすい情報開示等に努めるよう促すとともに、情報開示の状況について検証しているところであり、検査に関しても、系統金融検査マニュアル等において、適切な情報開示を行うための態勢の整備状況を検証項目としている。
 なお、金融機能の強化のための特別措置に関する法律(平成十六年法律第百二十八号)による優先出資の引受け等に係る申込みを受けた場合には、主務大臣は法令に基づき適正に審査し、当該引受け等の可否を判断することとしている。

四について

 農林中央金庫は、平成二十年十一月二十七日に公表した「平成二十一年三月期半期決算概況について」の半期連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の項等において、「実際の売買事例が極めて少ない変動利付国債については、市場価格を時価とみなせない状況にあると判断し、経営者の合理的な見積もりに基づく合理的に算定された価額を時価としております。この結果、市場価格を時価とした場合と比較して、有価証券は五千七百五十九億八千四百万円増加し、その他有価証券評価差額金は三千九百六十五億六千五百万円増加し、繰延税金資産は千七百九十四億千九百万円減少しております。」と記載することにより、平成二十年十月二十八日に企業会計基準委員会が公表した実務対応報告第二十五号「金融資産の時価の算定に関する実務上の取扱い」の適用による影響について開示しているところである。