質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一一一号

内閣参質一七〇第一一一号
  平成二十年十二月九日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員松野信夫君提出クラスター弾の廃棄に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松野信夫君提出クラスター弾の廃棄に関する質問に対する答弁書

一について

 政府としては、本年五月のダブリン会議への参加に当たり、クラスター弾の有する機能は我が国の防衛上必要なものと認識している一方、不発弾等による人道上の懸念に実効的に対処することが必要であるとの観点から、人道面と安全保障面のバランスのとれた国際約束が作成されることが重要であると考えていたところであり、田母神俊雄航空幕僚長(当時)も含め、防衛省としても同様の考えである。

二について

 政府としては、平成十九年五月当時、着上陸侵攻を防ぐためにはクラスター弾が必要であり、また、仮にクラスター弾を使用するような事態になった場合には、国民の安全確保に十分留意するとともに、使用後に不発弾等の危険物が生じた場合は、これを適切に除去及び処理を行う旨を示していたところであり、当時の田母神俊雄航空幕僚長(当時)の発言は、こうした政府の考え方を踏まえたものと考えている。

三について

 政府としては、クラスター弾に関する条約について、本年十二月三日に署名を行い、締結に向けた準備を行っているところであり、締結した場合には、同条約が定めるクラスター弾の廃棄義務について、防衛省を含め適切に対処してまいりたい。また、防衛省においては、自衛隊が保有するクラスター弾の廃棄に係る具体的な方法等について、平成二十一年度から実施予定のクラスター弾の処分に係る調査等(以下「調査」という。)において検討することとしている。

四について

 本年十月十九日の航空観閲式においては、自衛隊に対する来場者の認識と理解を深めることを目的として戦闘機等の展示を行ったところであり、クラスター弾については、航空観閲式の当日において、我が国として使用可能な武器であったことから、F―一五戦闘機及びF―二戦闘機に搭載可能な武器の一部として展示を行ったものである。

五について

 自衛隊が保有するクラスター弾の調達に要した金額は、約二百七十六億円である。また、その廃棄に係る費用については、調査の結果を踏まえて算出する予定である。