質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七一号

内閣参質一七〇第七一号
  平成二十年十月三十一日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員水戸将史君提出家電リサイクルに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員水戸将史君提出家電リサイクルに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「再生資源業者」の数については承知していない。

二について

 特定家庭用機器再商品化法(平成十年法律第九十七号。以下「法」という。)においては、機械器具の部品及び材料の再商品化及び熱回収(以下「再商品化等」という。)の実施を市場にゆだねるのではなく、製造業者及び輸入業者(以下「製造業者等」という。)に再商品化等の義務を課した上で、他の者に委託して再商品化等を行う場合も含め、主務省令で定める基準に適合していることについて主務大臣による認定を受けることを製造業者等に義務付けることにより、一般消費者が通常生活の用に供する電気機械器具その他の機械器具であって政令で定めるもの(以下「特定家庭用機器」という。)の廃棄物(以下「特定家庭用機器廃棄物」という。)の再商品化等に要する費用の低減、処理困難性の改善及び再商品化等の向上を図っている。今後とも、法の適切な施行に努めてまいりたい。

三について

 再商品化等に係る料金は、製造業者等が法第二十条第二項に基づき、再商品化等に必要な行為を能率的に実施した場合における適正な原価の範囲内で自主的に設定したものであり、実際にも一品目一価ではないと承知している。
 また、お尋ねの「リサイクルにかかる料金の内訳」については、平成二十年九月二十二日に開催された産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループと中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会家電リサイクル制度評価検討小委員会の合同会合(以下「制度評価等に関する合同会合」という。)において、「製造業者等の再商品化等費用の実績とその内訳に関する調査の結果について」として公表したところである。
 今後も、再商品化等に要する費用の実績やその内訳を定期的に把握し、公表することで、再商品化等に係る料金に対する消費者の理解の促進を図ってまいりたい。

四について

 制度評価等に関する合同会合において平成二十年二月に取りまとめられた「家電リサイクル制度の施行状況の評価・検討に関する報告書」(以下「制度評価等に関する報告書」という。)においては、製造業者等は、特定家庭用機器廃棄物を引き取る場所としてあらかじめ製造業者等が指定した場所(以下「指定引取場所」という。)について、原則すべての共有化を早期に実現すべきとされている。
 これを受けて、指定引取場所の共有化が段階的に実施されており、平成二十年十月一日から四十一か所について先行して共有化が行われるとともに、原則として平成二十一年度内にすべての指定引取場所の共有化が図られる方向で調整が進められている旨、製造業者等より報告を受けている。

五について

 御指摘の「再商品化等事業者の共通化」を行うか否かは、あくまで製造業者等が自主的に判断すべきものと考える。

六について

 政府としては、法に基づき小売業者から製造業者等に引き渡された特定家庭用機器廃棄物以外の使用済みの特定家庭用機器の処分の実態把握に努めている。例えば、平成十八年度において特定家庭用機器廃棄物の引取台数の多かった小売業者上位二十社を対象に、平成二十年四月から六月までにおける使用済みの特定家庭用機器の引取り・引渡し状況等に関する調査を実施したところ、再商品化等に係る料金を受け取ったにもかかわらず再商品化等をせず中古品として販売した小売業者はいなかったとの結果を得ている。
 また、お尋ねの「ガイドライン」については、産業構造審議会環境部会廃棄物・リサイクル小委員会電気・電子機器リサイクルワーキンググループ家電リサイクル制度に関するリユース等適正排出促進手法検討会と中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会特定家庭用機器のリユースとリサイクルのための適正引取・引渡に関する専門委員会の合同会合において平成二十年九月に取りまとめられた「小売業者による特定家庭用機器のリユース・リサイクル仕分け基準作成のためのガイドラインに関する報告書」の中で、「リユース・リサイクル仕分け基準の作成に係るガイドライン」として取りまとめられている。同報告書においては、国は、特に大手の小売業者に対し、当該小売業者が同ガイドラインに基づいて自主的に作成する「リユース・リサイクル仕分け基準」の運用状況などについて、定期的に報告を求めるべきとされている。

七について

 制度評価等に関する報告書においては、「着実に成果を上げている現在の施行状況を踏まえると、費用回収方式の変更という根本的な制度変更を行うことなく、現行の費用回収方式を維持しつつ、現行制度の改善のため、家電リサイクル法ルートへの適正排出促進のための措置や家電不法投棄対策等の個別課題解決のための措置を講じていくことが適当である。」とされており、当面は現行の制度を改める必要はないものと考えている。

八について

 地上アナログ放送停止に伴い廃家電として出されるブラウン管テレビの台数については、政府としての公式な試算は行っていないが、社団法人電子情報技術産業協会が一定の仮定の下に試算を行い、今後二千十一年に向けて毎年一千万台程度が買換えのため排出されると予測しているものと承知している。
 また、廃棄されたブラウン管テレビから回収されたガラスについては、今後、関係者間において、海外におけるブラウン管ガラスの生産状況を踏まえた販路開拓努力等、ブラウン管ガラスへの再生利用の継続に向けた取組や、ブラウン管ガラスから抽出された鉛の再生利用等その他の活用方法の検討が行われていくことが望ましいと考えている。