質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六九号

内閣参質一七〇第六九号
  平成二十年十月三十一日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員川田龍平君提出事業評価制度に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出事業評価制度に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「国土交通省所管公共事業の再評価実施要領」(以下「再評価実施要領」という。)に従って事業採択後に再評価を実施する公共事業のうち、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項に規定する指定都市(以下単に「指定都市」という。)が実施する補助事業については、指定都市がその再評価を実施し、当該指定都市の長がその諮問機関として事業評価監視委員会を設置するものである。

二について

 御指摘の「事業主体から完全に独立した評価機関とチェック機関」の意味するところが必ずしも明らかではないが、事業採択後に実施する再評価は、公共事業の効率性の向上を図るとともに、事業実施者が当該事業に関する説明責任を果たすという観点から、事業実施者が自ら厳格に実施するものであり、また、再評価の実施主体の長は、学識経験者等の第三者から構成される事業評価監視委員会の意見を聴き、その意見を尊重するものとされていることから、「事業の効率性、とりわけ透明性の向上という目的に反している」との御指摘は当たらないものと考えている。

三について

 御指摘の「再評価主体が行う作業も含めて、審議の公開と議事録および資料の公開」の意味するところが必ずしも明らかではないが、再評価実施要領においては、再評価を実施した事業実施主体が、再評価の結果として決定した当該事業の継続又は中止に関する方針、当該方針の決定の理由及び根拠並びに決定に至った経緯を公表することと定めている。

四について

 国土交通省所管の公共事業の再評価において、費用便益分析を実施する場合は、再評価実施要領及び御指摘の「公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針」(以下「技術指針」という。)に基づき、原則として、残事業の投資効率性に関する分析結果及び事業全体の投資効率性に関する分析結果の両者を用いて再評価を実施することとしている。

五について

 技術指針における時間価値の算定法に関する記述は、その策定後に変更されたことはない。
 御指摘の「鉄道プロジェクトの評価手法マニュアル2005」における時間価値の算定法に関する記述については、平成十六年に策定された技術指針を踏まえ、「鉄道プロジェクトの費用対効果分析マニュアル99」における記述の変更を行ったものである。

六について

 事業採択時において実施した費用対効果分析の要因に変化が見られない場合で、かつ、事業規模に比して費用対効果分析に要する費用が著しく大きい等費用対効果分析を実施することが効率的でない場合に該当するか否かについては、国土交通省所管の公共事業の再評価の実施方針として定められた再評価実施要領に基づき、再評価の実施主体が判断するものである。