質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五六号

内閣参質一七〇第五六号
  平成二十年十月二十四日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 河村 建夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員前川清成君提出小学校における英語活動等国際理解活動推進プランに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員前川清成君提出小学校における英語活動等国際理解活動推進プランに関する質問に対する答弁書

一及び二について

 小学校の児童を対象として外国語活動を実施する目的は、外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養うことである。
 外国語活動については、小学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十七号)において、「外国語活動においては、英語を取り扱うことを原則とすること」としている。これは、英語が世界で広くコミュニケーションの手段として用いられている実態や中学校における外国語科は英語を履修することが原則とされていること等を踏まえたものである。

三について

 文部科学省としては、小学校の児童を対象として外国語活動を実施することにより、中学校及び高等学校等の外国語科においてコミュニケーション能力を育成するための素地が養われるものと考えている。

四について

 「英語ノート」とは、小学校学習指導要領における外国語活動の指導に資するよう文部科学省が作成する予定の共通教材である。

五について

 「英語ノート」の試作版等の作成及び配布に要した経費は、原稿・デザイン作成等経費として二千百二十六万六千六百二十円、印刷製本費として千百四十万五千百円、著作権処理経費として三百八十四万六千二百四十円、こん包発送料として百十九万七千二百四十一円であり、合計三千七百七十一万五千二百一円である。

六について

 「英語ノート」の試作版は、大学教員、小学校教員等の協力を得て作成されたものであり、これらの者の意見及び要望が反映されている。

七及び八について

 平成二十年度においては、小学校における英語活動等国際理解活動推進事業の拠点校として指定された小学校において、総合的な学習の時間等で試行的に「英語ノート」の試作版が使用されているところである。
 文部科学省としては、平成二十年度に同拠点校を対象に「英語ノート」の試作版の活用状況に関する調査を実施し、同拠点校の教員等から改善点等についての意見を聴取しているところであり、当該調査の結果も踏まえ、今後、全国の小学校に配布する予定の「英語ノート」を作成する予定である。

九について

 文部科学省としては、平成二十三年度からの小学校学習指導要領の実施に向け、小学校における外国語活動の指導に当たる教員については、研修等を通じ指導力の向上を図ることとしている。
 具体的には、平成十九年度及び二十年度に独立行政法人教員研修センターにおいて、都道府県、政令指定都市及び中核市の教育委員会(以下「都道府県教育委員会等」という。)の指導主事等を対象とした指導者養成研修を実施するとともに、平成二十年度から二十二年度にかけて都道府県教育委員会等においてすべての公立小学校の教員を対象とした現職教員研修等を実施するよう依頼している。また、文部科学省において、平成二十年度に教員研修用の資料として「小学校外国語活動研修ガイドブック」を作成し、すべての公立小学校等に配布している。
 このほか、文部科学省においては、「英語ノート」並びに「英語ノート」に準拠した音声教材、デジタル教材及び教師用指導資料を作成し、平成二十一年度からすべての小学校で使用できるよう、平成二十年度中に配布する予定である。

十について

 文部科学省としては、平成二十三年度以後は、すべての公立小学校に九についてで述べた現職教員研修等を受けた教員が配置されるよう、都道府県及び政令指定都市の教育委員会に対して依頼してまいりたいと考えている。
 また、語学指導等を行う外国青年招致事業を通じ、地方公共団体による小学校への外国語指導助手の配置を支援してまいりたいと考えている。

十一について

 語学指導等を行う外国青年招致事業を通じて小学校、中学校及び高等学校等に配置された外国語指導助手の人数は、平成二十年七月現在、四千二百八十八人となっているが、外国語指導助手が配置された中学校の割合は把握していない。

十二について

 文部科学省としては、小学校の児童を対象とした外国語活動については、標準となる授業時数、指導内容等を学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)及び小学校学習指導要領において示したところであり、また、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)においては、「小学校における外国語活動との関連に留意して、指導計画を適切に作成するものとする」としていることから、各中学校においては、地域の小学校における外国語活動の指導内容を十分把握した上で、指導計画が作成されるものと考えている。