質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一四八号

グリーン購入法のコピー用紙についての基準改定に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十二月二十二日

川田 龍平   


       参議院議長 江田 五月 殿



   グリーン購入法のコピー用紙についての基準改定に関する質問主意書

 現在、グリーン購入法のコピー用紙についての基準改定に関するパブリックコメントが実施されている。この基準改定は、年初に発覚した製紙業界による古紙偽装問題や、温暖化、生物多様性といった重要課題とも深いつながりのある問題である。よって、以下質問する。

一 今回の基準改定により、コピー用紙についてグリーン購入法の基準を緩和し、古紙一〇〇%再生紙以外にも、三〇%までバージンパルプの利用が可能となる。古紙偽装問題は、様々な紙分野に広がっていた紙全体の問題であったが、なぜコピー用紙についてのみの改定作業を行うこととなったのか、その理由を明らかにされたい。また、政府調達のコピー用紙の現時点、及び将来の供給可能量に不安があるのかどうか、政府の見解を明らかにされたい。

二 偽装事件を受け、失われてしまった古紙利用への消費者の信頼をいかにして回復できると考えているのか。また、こうした基準改定により、古紙利用への信頼回復に悪影響を及ぼす可能性や、紙供給メーカーの供給能力強化への意欲に及ぼす影響について、政府の見解を明らかにされたい。

三 改定案においては、古紙の代わりに環境に配慮した原料を使用したパルプであるとして、森林認証材が利用可能となる。しかし、森林認証材には、環境的に問題を持っているものも存在していると指摘されている。政府として、個々の森林認証制度について、どのような評価作業を行ったのか、その評価基準とその根拠、個々の認証材制度の評価内容を示し、政府の見解を明らかにされたい。

四 「持続可能性を目指した原料」については、エコマークでの議論の結論が延期されており、環境的優位性、社会的優位性や、森林劣化、低位利用木材などの文言の定義と、その確認・検証作業の中身が明確でない状況で、パブリックコメント作業に入っている。その内容が明示されていない状況では、判断が困難ではないかと考える。不明確なままでの制度運用では、新たな偽装を生む可能性すらあり、問題だと考える。「持続可能性を目指した原料」の検証作業についての具体的な提案がない理由に関する政府の見解を明らかにされたい。

五 間伐材利用は推進すべきであると考えるが、あえて技術的な問題も指摘されているコピー用紙への利用拡大を行う理由について、政府の見解を明らかにされたい。また、政府調達対象となっているコピー用紙以外の紙や、政府調達対象の製材、合板、集成材、単板積層材、フローリング、コンクリート型枠等についての間伐材利用促進は十分進んでいるのか、利用状況はどのような水準にあり、更なる利用促進、利用拡大の可能性はどの程度と認識しているのか、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。