質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二四号

大学における大麻汚染に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十二月八日

谷岡 郁子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   大学における大麻汚染に関する再質問主意書

 大学における大麻汚染に関する質問に対する答弁書(内閣参質一七〇第九九号)を本年一二月二日に受領したが、その答弁内容について以下のとおり再質問する。

一 先の答弁書の一においては、法整備の必要性についての質問に対し、「所要の規定が整備されているところである」との回答をしている。しかし、現行の大麻取締法では発芽可能な大麻種子でも取引が禁止されていないなど、法の抜け穴も指摘されている。法で許可された大麻取扱者以外による大麻の取扱いをより明確に禁止するような法改正を行い、安易に大麻を入手できない条件を整備することが必要と考えられるが、政府の見解を問う。

二 先の質問主意書の三においては、特に近年の大学に関する教育行政の在り方、例えば競争的資金制度の導入などが学生の人間教育に悪影響を及ぼし、学生の大麻汚染の背景となっているのではないかという指摘を行ったが、これに対し先の答弁書の三では「大学生による大麻取締法違反には様々な要因があるものと考えられ、一概にお答えすることは困難」と回答している。しかし、様々な要因があるからこそ、いかなる状況にあっても安易に大麻に手を出さないような人間力形成を重視した教育を行うべきであり、教育行政にはそのような教育が可能となる条件を整備し、各大学の取り組みを支援していく責任があるものと考える。また、一〇月三一日の閣議後の記者会見で、文部科学大臣は「大学の責任で再発防止なり取り組んでもらいたい」と発言しているが、教育行政の責任については言及しておらず、このことは教育行政の責任逃れとも受け取れる。今回の一連の大麻問題について、教育行政の責任をどのように考えているのか、見解を問う。

三 先の答弁書の五においては、一連の大麻問題を受けての政府の対応についての質問に対し、「会議や(中略)研修会等において、大学が学生に対し、薬物乱用防止のための適切な指導・助言を行うよう求め」ると回答しているが、調査などによって大学における大麻汚染の実態を把握しようという対応が見られないのは不可解である。また、各大学からの教育行政への支援の要望についての質問に対しては、「各大学からの要望は受けていない」というが、各大学では試行錯誤の中で様々な取り組みを行っており、それら各大学の努力に対して要望を待つ姿勢に終始した「要望は受けていない」という態度はあまりに消極的である。教育行政として薬物対策に本気で取り組むならば、より積極的に各大学から情報を収集して取り組みを把握し、より適切な連携や支援を検討すべきではないのか。
 先の答弁書に書かれた内容を文字通り受け取るとすれば、一連の大麻問題への対応策の内容以前に、教育行政における情報収集能力や問題を解決しようとする熱意を疑わざるを得ない。教育行政として一連の大麻問題を本気で解決しようとする意志はあるのか確認したい。また、この問題について具体的にどのような情報収集や調査を行っているのか、あるいは行うつもりなのか、説明を求める。

  右質問する。