質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一一九号

金融不況に対応する大学生の就職支援施策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十二月四日

谷岡 郁子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   金融不況に対応する大学生の就職支援施策に関する質問主意書

 アメリカのサブプライムローン問題に端を発する世界的な金融不況は、日本の雇用状況にも深刻な影響を与えている。一一月二八日に厚生労働省は、二〇〇九年三月卒業予定の大学生・高校生など新規学卒者の内定取消しが三三一人、新たな失業者は二〇〇九年三月までで約三万人にのぼるとの推計を発表している。新たな失業者には、一九九〇年代のいわゆる「就職氷河期」に就職できずに派遣労働など不安定な職業に就かざるを得なかった世代が多く含まれており、彼らは「格差社会」といわれる今日の日本社会の最大の被害者であると言える。今回の金融不況に伴う就職難に対応しなければ、二〇〇〇年以降明らかになった格差をさらに拡大し、将来に希望を持てない世代を再び生み出すことになりかねない。今、失業対策と同時に新規学卒者の支援を行うことは、緊急かつ不可欠なことである。
 よって以下質問する。

一 一一月二八日に厚生労働省が発表した新規学卒者の内定取消し三三一人という数値は、氷山の一角と思われるが、いかなる調査でこの数値を把握したのか、調査方法を説明されたい。また、新規学卒者全体のうち内定取消し総数がどの程度になると見込んでいるのか、現時点での調査結果に基づく推計を示されたい。

二 内定取消しとなった学生に対する支援策について、厚生労働省は、ハローワークでの相談窓口の設置、企業への「新規学校卒業者の採用に関する指針」の周知徹底をあげているが、これらの対応で十分とは思われない。政府としてはこれら対応策でどの程度の効果を見込んでいるのか。また、一二月三日の新聞報道によると厚生労働省はさらなる対応策を検討しているとされるが、一一月二八日に発表した対策以外に検討している対応策があれば、具体的に示されたい。

三 内定を取り消された新規学卒者への支援は、労働行政における職業斡旋だけではない。もし来春までに職を得ることができなかった場合を想定して、厚生行政や教育行政における年金など社会保険料の免除や奨学金返還の猶予など失業中の負担軽減を図る施策を行うことで、少しでも将来的な不安を取り除くことができると考えるが、政府の見解を問う。

  右質問する。