質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一〇八号

介護労働者に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十一月二十七日

櫻井 充   


       参議院議長 江田 五月 殿



   介護労働者に関する質問主意書

 介護労働者の労働条件の劣悪さは、様々な方が指摘している。しかし、指摘されても、厚生労働省は十分な対応をとってこなかったために、介護の現場は悲惨な状況になってきている。介護は、介護報酬を国が定めているのだから、介護労働者の報酬が増えるのも、減額されるのも、ほとんど国の政策によって決められると言っても過言ではない。このような状況の中で、政府は介護労働者の労働条件をどのように改善していこうとしているのかについて以下質問する。

一 介護労働者の平均給与はどの程度か、職種ごとに示されたい。パート労働者の場合には、時間給で示されたい。

二 前記一は、全産業と比較して適切な水準であると言えると厚生労働省は考えているのか。また、厚生労働省としては、どの程度が適切であると考えているのか。二十代、三十代、四十代、五十代の世代ごと、さらに、男女別に適切な水準を示されたい。

三 男性の所得が低いほど、結婚している割合が減少するというデータが、労働政策研究・研修機構「若者就業支援の現状と課題」(二〇〇五年)の調査によって示された。この点から考えても、現在の介護労働者の給与水準は適切であると考えられるのか。また、そもそも子供を一人育てる中で、公立の幼稚園、小学校、中学校、高校、大学まで卒業した場合のモデルケースで政府はいくら費用がかかると想定しているか。
 さらに、夫婦のどちらかが介護労働者で、その二人の子どもで構成された合計四人の世帯を考えたとき、その子どもを二人とも、国公立の幼稚園、小学校、中学校、高校、大学まで卒業させることは、現在の全介護労働者の平均的な年収では可能か。はいかいいえで答弁されたい。ただし、夫婦や子どもの年齢は厚生労働省が最低生活保障水準を検討する際に示した三十五歳男、三十歳女、九歳子、四歳子に基づいたものとする。

四 親の所得によって、親が望む子供の進学先が違ってきている。例えば、年収四百万円以下と、一千万円以上では、大学及び大学院の進学割合は大きく異なっている。現在の介護労働者の所得水準では、子供が進学を望んでも、なかなか進学するのは難しいのではないか。この点から考えても、現在の介護労働者の所得水準は適切であると言えるのか。

五 介護労働者の離職率はどの程度か。これは、他の産業と比較して高い水準なのか。もし高いとすれば、厚生労働省としては、何が原因であると考え、どのような対策を立てているのか。

六 介護労働者全体のうち、男性の介護労働者の割合はどの程度か、年代別に示されたい。また、男性の介護労働者の割合が低いとすれば、厚生労働省としては、原因が何であるとともに、そのような現状を放置しても問題がないと認識しているのか。問題があると認識しているとすれば、どのような解決策を考えているのか。

  右質問する。