質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五九号

年金記録問題の是正に係る再裁定処理の迅速化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十月二十日

小池 晃   


       参議院議長 江田 五月 殿



   年金記録問題の是正に係る再裁定処理の迅速化に関する質問主意書

 年金記録問題が発覚して以降、国民の年金記録に対する関心が高まり、ねんきん特別便・定期便の送付によって再裁定申立てが集中し、再裁定処理が大幅に遅れる事態が生じている。私のもとにも、処理するまで最低一年はかかるとか再裁定処理が完了して年金が支払われる時期は約束できないという説明を受けた方や、何度窓口に足を運んでも社会保険事務所ではなく東京の業務センターが再裁定の決定をするのでいつ処理が終わるか約束できないと言われて困った方からの相談があいついでいる。中には、二年以上かかるという説明を受けた方もおられる。このような窓口対応は年金行政への信頼をさらに低下させるものである。
 また、高齢の受給者にとっては、処理待ち期間が長期化すれば、年金記録が訂正されて受給権が回復されても、結果として空手形になりかねない。早急に是正が求められる。
 この問題の背景には、再裁定の処理状況を国民の前に明らかにせず、再裁定の処理体制の強化を機敏に行ってこなかった社会保険庁の姿勢がある。処理状況・体制について国民に明らかにして説明責任を果たすとともに、機敏な処理体制強化によって再裁定待ち期間の短縮が求められる。
 以下、質問する。

一 二〇〇八年一月以降、社会保険庁業務センターが受理した新規再裁定件数、処理件数、未処理件数(月末現在)、再裁定処理の平均処理待ち期間について月毎に明らかにされたい。

二 二〇〇八年一月以降、社会保険庁業務センターにおいて再裁定に関わる職員について常勤職員(専任の職員並びに期限付職員及びそうでない職員の数も内数として明記のこと)、非常勤職員、派遣職員その他の数の内訳と総数を月毎(当該月一日現在)に明らかにされたい。また、十月一日現在の数についても明らかにされたい。

三 第七回年金記録問題に関する関係閣僚会議(九月九日)に提出された資料一~十五によれば、現状月二万件強の処理件数を十月から十万件に引き上げる方針が示されている。再裁定処理の処理件数はそれに関わる職員数に左右される部分が大きいが、処理件数は示されているものの、処理体制をどうするのかについては示されていない。今後再裁定処理件数の増加に伴って、再裁定に関わる職員数をどのように増やすつもりなのか、職員数の計画と手当の方針について明らかにされたい。また、今後、月毎に再裁定に関わる職員数などの職員体制、月毎処理件数見込みを公表し、国民に対する説明責任を果たすべきではないかと考えるが、政府の考えを明らかにされたい。

四 再裁定申立てを行った方にとって再裁定処理がいつ完了するのか明らかにされないという現状を改める必要があると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 今後、定期的に前月の未処理件数と平均処理待ち期間及び当月の再裁定に関わる職員数と処理件数見込みを公表し、国民に対する説明責任を果たすべきではないか。また、再裁定申立てを行った方に対しても申立時点できちんと説明すべきではないか。

六 年金記録問題が発覚するまで再裁定処理期間は長くても三ヶ月程度であった。また、年金記録問題に関わる再裁定件数の増加によって他の再裁定申請の処理期間も増加している。抜本的に再裁定処理体制を強化し、年内に再裁定処理期間を三ヶ月にすべきではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。