質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第四七号

中小企業融資の実態把握に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十月八日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   中小企業融資の実態把握に関する質問主意書

 中川昭一金融担当大臣は十月五日のテレビ番組において「メガバンクが地方の中小企業から融資を一斉に引き揚げており、要は貸し渋りだ」と指摘した上で、金融庁と中小企業庁とがチームを組んで全国を回り、中小企業融資の実態把握を急ぐ方針を示した。これは前の通常国会の経済産業委員会(六月三日)で私が提案したことであり、その実施は大いに歓迎する。
 そこで、その実施について以下質問する。

一 現在政府や日銀の調査・統計を見てもある程度の規模以上の中小企業を対象としたものであり、商工会議所・商工会などに所属しない小規模企業の現状は十分には把握できていない。今回の連携した調査においては是非とも小規模企業の現状を把握すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 私が知る範囲でも金融機関が「間接的な表現」で金融庁の検査に対応するために貸し出しができないという発言を聞くことがあり、金融機関において、中小企業検査マニュアルが遵守されているかを借り手である企業から確認をすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 また、中川大臣は「金融機関のリスク回避を誘導するような金融監督行政では駄目だ」と指摘したが、同感である。今後とも金融庁と中小企業庁の連携による調査を継続すべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

四 なお、今回の調査については至急実施し、現状の分析に基づいた対策を至急明示されたい。現在、わが国の中小企業は極度の経営環境の悪化に直面しており、中小企業の経営に安定を与える政策の早期実施が望まれるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。