第170回国会(臨時会)
質問第四三号 高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の品質に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十年十月六日 福島 みずほ
参議院議長 江田 五月 殿 高レベル放射性廃棄物ガラス固化体の品質に関する質問主意書 原子力発電所の使用済み核燃料を再処理した際に発生する高レベル放射性廃液はガラスに封じ込めた固化体とし、地層処分することが計画されている。ところが、日本原燃(株)六ヶ所再処理工場のアクティブ試験で昨年製造されたガラス固化体六十本のうち三十五本に低粘性流体の発生がTVモニターで確認されている。これは、高レベル廃液を供給した通常運転で製造された二十九本中で見ると二十七本という高頻度にあたる。低粘性流体の正体は、モリブデンなどの水溶性化合物であり、ガラス固化体を地層処分した際の安全性に大きな疑問を生じさせるものである。 原子力安全・保安院は、将来の地層処分や国民への説明責任などの観点から、ガラス固化体製造時の記録等を適切に録取しておくことを日本原燃(株)に指示している。 そこで、以下質問する。 一 六ヶ所再処理工場で製造されるガラス固化体についてのみでなく、地層処分を予定している海外再処理工場からの返還廃棄物についても、保有する記録や関係機関へのヒアリング等によって国民への説明責任を果たす必要が国にもあると考えるがいかがか。 二 この問題を議論した総合資源エネルギー調査会第三十四回廃棄物安全小委員会では、返還廃棄物について「所有者である電力の方で製造側の品質管理を要求して、基本的には、低粘性流体がまとまった形で出てこないような、ガラスの中に取り込まれるような条件を設定して、それを要求している。そういうものだけを日本に持ってきている。」との説明が行われている。しかし、品質管理の要求のみでは低粘性流体の発生を完全に回避することにはならないと考えるがいかがか。 三 イギリス、フランスの再処理工場から我が国に返還されるガラス固化体は、製造時に低粘性流体の発生の有無についてTVモニター等によって監視されているか、TVモニターによって監視されている場合は、その録画ビデオが残されているか承知しているか。 四 返還されたガラス固化体について、低粘性流体の発生の有無に関するものとしては、どのような記録が残されているか。 五 そもそも返還ガラス固化体の一本一本について、製造日等を個々に識別した記録は存在するのか。 右質問する。 |