質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三五号

後期高齢者医療制度見直しに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十月二日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   後期高齢者医療制度見直しに関する質問主意書

 平成十八年に、安心・信頼の医療の確保と予防重視、医療費適正化の総合的な推進、超高齢社会を展望した新たな高齢者医療制度等の創設などを柱とする医療制度改革が行われ、平成二十年四月から七十五歳以上の後期高齢者を被保険者とする「後期高齢者医療制度」が創設された。しかしながら、保険料については、個人単位の負担に変わったことや運営主体を都道府県単位で設定することとなったことでそれまでの負担に比べて増減が生じ、また、十分な周知がないまま年金から保険料の天引きが行われたことが大きく報道され、医療費抑制のための高齢者の切り捨て制度ではないかとの批判が高まり大きな問題となった。これを踏まえて以下質問する。

一 九月中旬に舛添厚生労働大臣が後期高齢者医療制度を抜本的に見直すとの方針を示したが、この「抜本的な見直し」の具体的な内容を示されたい。

二 舛添厚生労働大臣は、後期高齢者医療制度見直しのポイントとして、①加入者を年齢のみで区分しない、②年金からの保険料天引きを強制しない、③世代間の対立を助長しないとする三点を示している。

1 それぞれのポイントは具体的にどのように「抜本的に見直されるか」を明確にされたい。
2 ①については、医療費が急増しつつある七十五歳以上を対象に独立した医療保険制度を作り、それを全体で支えようとの理念があったはずであるが、その理念さえも変更されるのか。
3 ②については、年金から天引きされないようになるだけで結局は対象者が同額の医療保険納付金を振り込むことになり、逆に振込みの手間が増えるだけになる可能性はないか。
4 ③については、現状において世代間にどのような対立があると認識しているのか。そもそも抜本的に見直すのであれば、世代間の負担についての考え方を明確にする必要があると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

三 最後に抜本的な見直しをいつまでに検討し、いつまでに実現するのかスケジュールを示されたい。

  右質問する。