質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一六号

日本銀行の独立性に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年九月二十五日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日本銀行の独立性に関する質問主意書

 現在、景気対策が議論される中で、減税や政府支出の増額といった財政政策だけが議論され、金利、準備率の操作といった金融政策がほとんど議論されていない。本来であれば、景気対策は金融政策が主であり、その補完として財政政策が位置づけられるが、わが国においては「中央銀行の独立性」が誤解され、政府や国会が金融政策に言及できない状況になっている。これを踏まえて以下質問する。

一 そもそも中央銀行の独立性には、一般的に「手段の独立性 INSTRUMENT INDEPENDENCE」、「目標の独立性 GOAL INDEPENDENCE」の二つの意味がある。中央銀行は、目標の独立性は有しないが、手段の独立性は有する、つまり、政府は目標を中央銀行にあたえ、中央銀行はその目標にしたがって、いつ金融操作をするかどうかの独立性を有するというものが国際的な認識であると考える。実際に欧州中央銀行などもGDPデフレーターなどの目標指標は欧州委員会が設定している。この手段の独立性について政府の認識を示されたい。

二 政府は日本銀行の独立性をどのように定義づけているのか。すなわち、日本銀行の政策の目標は国権の最高機関である国会や国会の信任に基づき成立する内閣が決定し、その手段である政策の実施を日本銀行が行うべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。