質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九号

米海軍原子力潜水艦「ヒューストン」の放射能漏れに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年九月二十五日

糸 数 慶 子   


       参議院議長 江 田 五 月 殿



   米海軍原子力潜水艦「ヒューストン」の放射能漏れに関する質問主意書

 沖縄県うるま市にある米海軍施設「ホワイトビーチ」への原子力潜水艦(以下、「原潜」という。)の寄港が急増している。沖縄県によると、本年八月一三日の原潜コロンブスの寄港により本年の寄港回数は二七回にのぼり、沖縄県が統計を取り始めた昭和四三年(一九六八年)以降、最多を記録、昨年の二四回をすでに上回っている。うるま市及び同市議会は、原潜の寄港が異常な状況にあるとして、市民の生命・財産と生活環境を守る立場から原潜の寄港中止と寄港の理由説明等を求める要請並びに意見書を再三にわたり採択、政府にその旨、提出している。
 そのような状況下にあって本年八月一日、米海軍は日本政府に対し原潜ヒューストンが米海軍佐世保基地に寄港の際、放射能漏れを起こしていたことを明らかにした。その後、ヒューストンが約二年間にわたって放射性物質を含む冷却水を漏らしていたことが判明、ヒューストンはその間、五回、ホワイトビーチに寄港していたことから、うるま市及び同市議会は、ヒューストンの放射能漏れを重視、原潜の寄港反対、原因究明等の抗議決議を採択した。また、ヒューストンの放射能漏れにおいては、政府が関係自治体への即時通報を怠るなど、放射能の危険性に対する認識の甘さも指摘された。沖縄県民の生命・財産と生活環境を守る立場から以下、質問する。

一 うるま市及び同市議会の原潜の寄港反対決議に対する政府の見解を明らかにされたい。

二 うるま市及び同市議会の意見書で示された「原潜寄港の明確な説明責任」について、政府の見解を明らかにされたい。

三 政府は、ホワイトビーチへの原潜寄港の頻度について米国政府に問い合わせる等、事実関係の確認を行ったことがあるか。

四 政府は、我が国における原潜寄港の日時、目的、停泊日数等を事前に知り得る立場にあると理解するが、事前通告等が行われているのか。

五 ホワイトビーチへの突出した原潜の寄港頻度は、ホワイトビーチの桟橋を改修し、従来の一時的な係留支援から長期停泊のための支援に変わったためと指摘されているが、ホワイトビーチの桟橋の改修について、その内容(桟橋の延長、拡幅、接岸設備等)と予算を明らかにされたい。

六 ヒューストンの放射能漏れの原因を明らかにされたい。

七 米国政府は、ヒューストンの安全性について「確実な措置を講じている」として、その安全性の確保を約束しているが、政府はどのような方法で安全性を確認するのか、具体的に示されたい。

八 原潜、原子力空母の放射能漏れに対する政府の関係自治体への通報体制について明らかにされたい。

  右質問する。