質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三三号

内閣参質一六九第一三三号
  平成二十年六月六日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員松野信夫君提出日米地位協定の運用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松野信夫君提出日米地位協定の運用に関する質問に対する答弁書

一について

 本年四月十三日に沖縄県北谷町で発生した米軍の構成員(以下「米軍人」という。)の家族による窃盗被疑事件(以下「本件事件」という。)については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第十七条3(b)に基づき我が国が裁判権を行使する第一次の権利を有している。また、お尋ねの「捜査の優先権」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日米地位協定第十七条6(a)は、日本国の当局及びアメリカ合衆国の軍当局は、犯罪についてのすべての必要な捜査の実施について、相互に援助しなければならない旨を定めている。

二について

 刑事裁判管轄権に関する事項についての日米合同委員会合意第10(1)において、米軍の法執行機関は、施設及び区域外において、米軍人に加え、米軍の軍属又は家族の間における秩序及び規律の維持に当たることができる旨の合意がなされ、実際の運用が行われている。

三について

 本件事件の捜査に当たり、米軍の憲兵隊と沖縄県警察との間で十分な調整がなされないまま、沖縄県警察による捜査手続を中断する形で、米軍の憲兵隊により米軍人の家族が施設及び区域に戻された状況が生じたことは遺憾であると認識しており、アメリカ合衆国側に対し、米軍人の家族の取扱いに関し、憲兵隊と沖縄県警察との間で十分な調整がなされなかったことは遺憾であり、施設及び区域外で警察権を行使するに当たっては、日米地位協定及び関連取決めに従って、沖縄県警察に協力するよう申入れを行っている。