質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第五五号

内閣参質一六九第五五号
  平成二十年三月七日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員松野信夫君提出行政計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松野信夫君提出行政計画に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「行政計画」が何を指すのか必ずしも明らかでないが、法律の規定に基づき国が策定した計画であって、その計画期間が複数年度にわたるもの又は計画期間の定めがないもののうち、平成二十年三月七日現在その計画期間中であり、予算額又は事業費等を定めているものについて、その額の多い順に示すと、平成十八年三月二十八日に策定された科学技術基本計画、第二東海自動車道横浜名古屋線の静岡県駿東郡長泉町東海市間の新設に関する整備計画、昭和四十八年十一月十三日に策定された新幹線鉄道建設に関する整備計画、近畿自動車道名古屋神戸線の亀山市城陽市間の新設に関する整備計画及び東関東自動車道水戸線の松戸市市川市間の新設に関する整備計画である。
 なお、道路整備費の財源等の特例に関する法律(昭和三十三年法律第三十四号)第三条第三項の規定に基づき、「平成十五年度以降五箇年間に行うべき道路の整備に関する事業の量及び積雪寒冷特別地域における道路交通の確保について」(平成十五年十月十日閣議決定)において、平成十五年度以降五箇年間の道路の整備に関する事業の量は三十八兆円を上回らないものとすることとされているが、これは道路の整備に関する事業の量の上限を示したものであり、「法律の規定に基づき国が策定した計画」には該当しないものとして整理している。

二及び三について

 平成十八年三月二十八日に策定された科学技術基本計画は、科学技術基本法(平成七年法律第百三十号)第九条第一項の規定に基づき、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的として、平成十八年四月一日から平成二十三年三月三十一日までの間の科学技術の戦略的重点化、科学技術システム改革等について策定したものである。当該計画においては、政府研究開発投資について、当該計画の計画期間中に対GDP比率で欧米主要国の水準を確保するため、一定の前提の下に、平成十八年度から平成二十二年度までの政府研究開発投資の総額の規模を約二十五兆円とすることが必要であるとしている。科学技術関係予算としては、平成十八年度においては約四兆千億円、平成十九年度においては約四兆円を確保しているところである。
 当該計画の実施に係る経費については、科学技術関係予算として一般会計及び複数の特別会計より支出されている。
 また、お尋ねの「計画が適切に実施されたか否かの検証」については、総合科学技術会議が当該計画における関係省庁の取組の進捗状況の把握・評価を行い、必要に応じて関係省庁に対して改善措置を求めること等を実施している。また、当該計画は数次にわたり策定されてきた計画であり、第三期基本計画に当たるが、第二期基本計画において定められていた平成十三年度から平成十七年度までの科学技術施策の進捗状況及び成果については、第三期基本計画において検証されている。
 第二東海自動車道横浜名古屋線の静岡県駿東郡長泉町東海市間の新設に関する整備計画は、高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第五条第一項の規定に基づき、高速自動車国道の整備を図り、自動車交通の発達に寄与することを目的として、平成三年十二月三日に策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。当該計画において定められた工事に要する費用の概算額は、三兆七千六百十億円であり、当該計画に係る高速自動車国道については、現在一部区間において供用を開始しているところである。
 近畿自動車道名古屋神戸線の亀山市城陽市間の新設に関する整備計画は、高速自動車国道法第五条第一項の規定に基づき、高速自動車国道の整備を図り、自動車交通の発達に寄与することを目的として、平成三年十二月三日に策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。当該計画において定められた工事に要する費用の概算額は、八千二百九十億円であり、当該計画に係る高速自動車国道については、現在一部区間において供用を開始しているところである。
 東関東自動車道水戸線の松戸市市川市間の新設に関する整備計画は、高速自動車国道法第五条第一項の規定に基づき、高速自動車国道の整備を図り、自動車交通の発達に寄与することを目的として、平成八年十二月二十七日に策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。当該計画において定められた工事に要する費用の概算額は、七千五百七十億円であり、当該計画に係る高速自動車国道については、現在供用を開始している区間はない。
 第二東海自動車道横浜名古屋線の静岡県駿東郡長泉町東海市間の新設に関する整備計画、近畿自動車道名古屋神戸線の亀山市城陽市間の新設に関する整備計画及び東関東自動車道水戸線の松戸市市川市間の新設に関する整備計画において定められた工事の施行主体は、それぞれ、中日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社(亀山市から甲賀市甲賀町までの区間に限る。)及び西日本高速道路株式会社並びに東日本高速道路株式会社であり、これらの工事に係る財源については、これらの会社の民間借入金等である。
 また、第二東海自動車道横浜名古屋線の静岡県駿東郡長泉町東海市間の新設に関する整備計画、近畿自動車道名古屋神戸線の亀山市城陽市間の新設に関する整備計画及び東関東自動車道水戸線の松戸市市川市間の新設に関する整備計画について、お尋ねの「計画が適切に実施されたか否かの検証」については、行政機関が行う政策の評価に関する法律(平成十三年法律第八十六号)に基づき、事業ごとの事後評価等を実施している。
 昭和四十八年十一月十三日に策定された新幹線鉄道建設に関する整備計画は、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)第七条第一項の規定に基づき、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もって国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的として、建設を開始すべき新幹線鉄道の路線に関して策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。当該計画において定められた新幹線鉄道の建設に要する費用の概算額は、二兆七千九百億円であり、当該計画に係る路線のうち、現在、東北新幹線盛岡・八戸間、北陸新幹線高崎・長野間、九州新幹線新八代・鹿児島中央間については建設が完了し、東北新幹線八戸・新青森間、北海道新幹線新青森・新函館間、北陸新幹線長野・金沢間及び福井駅部、九州新幹線博多・新八代間については建設中である。
 新幹線鉄道の建設に係る経費は、国の予算における公共事業関係費及び全国新幹線鉄道整備法施行令(昭和四十五年政令第二百七十二号)第八条第二項の規定により国の負担とみなされる繰入金からなる国の負担、地方公共団体の負担並びに旅客鉄道株式会社の負担からなり、このうち国の予算における公共事業関係費については、一般会計より支出されている。なお、新幹線鉄道の新たな着工については、「整備新幹線の取扱いについて」(平成十六年十二月十六日政府・与党申合せ)その他の累次の政府・与党申合せ等(以下単に「政府・与党申合せ等」という。)に基づき、安定的な財源見通しの確保、収支採算性、投資効果等の基本条件が整えられていることを確認した上で行うこととしている。
 また、お尋ねの「計画が適切に実施されたか否かの検証」については、政府・与党申合せ等において整備計画が維持されることが確認されてきているほか、行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づき、事業ごとの事後評価等を実施している。