質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第二八号

内閣参質一六九第二八号
  平成二十年二月二十二日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員平野達男君提出予算と関連法案に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員平野達男君提出予算と関連法案に関する質問に対する答弁書

一について

 日本国憲法第五十九条第一項において、法律案について両議院で可決したとき法律となる旨が規定されていること等から、両議院の議決により、法律案が修正される場合や、否決等がされて廃案となる場合があり得ると考えられる。

二について

 歳出予算は、内閣に対して、一会計年度における債務を負担する権限及び国費を支出する権限を付与するものであり、その会計年度において、内閣が債務を負担し、及び国費を支出することができる金額は、この歳出予算の金額の範囲内に限られることとなる。

三及び五について

 予算及び歳出予算に関連する法律案の国会提出の順序については、法律上、特段の定めはなく、歳出予算に関連する法律案を通常国会へ提出する場合、予算の国会提出と同時に、又は予算の国会提出後、国会へ提出することを通例としている。また、国会における審議の在り方については、国会において御議論がなされるべき事柄であると考えるが、政府としては、法律案及び予算については、いずれも成立を期して国会に提出している。
 予算は、日本国憲法第六十条の規定に従い、国会において審議され、成立し、一方で、法律案は、日本国憲法第五十九条の規定に従い、国会において審議され、成立するものであるが、歳出予算に関連する法律案があり、かつそれが成立しない場合には、当該法律案に基づく新たな歳出としては、執行できないものと考えられる。

四について

 歳出予算は、財政法(昭和二十二年法律第三十四号)に基づき、部局等の組織の別に区分し、その目的に従って項に区分し、国会の議決を経ることとされている。
 国会に提出する予算には、参考のため各省各庁の予定経費要求書等を添付し、歳出の事項別の内容について説明しているところであり、法律に支出の根拠をおく経費については、当該法律を引用するなど分かりやすく簡明な記述となるよう配慮している。

六について

 歳入予算は、税法による賦課徴収の権限の付与、財政法等による公債発行の権限の付与及び予算総則が定める公債発行の上限等を踏まえた、一会計年度における収入の見積りであり、これによって政府に賦課徴収等の権限を付与するものでもなく、また賦課徴収等の義務を課すものでもない。

七について

 会計年度は四月から開始すること、国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第二条において「常会は、毎年一月中に召集するのを常例とする」と規定されていること等を踏まえ、例年、年末から年始にかけて、予算及び税制改正の要綱を決定し、予算及び歳入予算に関連する法律案を通常国会に提出している。
 政府としては、法律案及び予算については、いずれも成立を期して国会に提出しているところである。なお、予算が成立した場合において、歳入予算に関連する法律案があり、かつそれが成立しないときは、当該法律案に基づく新たな歳入としては、見込めないものと考えられる。

八について

 三及び五についてで述べたとおり、予算は、日本国憲法第六十条の規定に従い、国会において審議され、成立し、一方で、法律案は、日本国憲法第五十九条の規定に従い、国会において審議され、成立するものであることから、御指摘のような「予算にかかる衆議院の優越は、歳入関連法案の成立によって歳入根拠が確立することが前提」や「歳入関連法案の不成立によって歳入根拠が大きく崩れる場合には、衆議院の優越にかかわらず予算は修正されなければ成立しない」ということはないと考えている。

九及び十について

 国会における審議の在り方については、国会において御議論がなされるべき事柄であると考えるが、政府としては、法律案及び予算については、いずれも成立を期して国会に提出している。なお、予算が成立した場合において、歳入予算に関連する法律案があり、かつそれが成立しないときは、当該法律案に基づく新たな歳入としては、見込めないものと考えられる。

十一について

 国税に関する法律については、国税の基本的な事項及び共通的な事項について国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)で、所得税等の各国税の課税標準や税率等について所得税法(昭和四十年法律第三十三号)等で、国税の滞納処分等の手続について国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)等で、これらの特例について租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)等で、国税の犯則事件に関する手続について国税犯則取締法(明治三十三年法律第六十七号)で、それぞれ定められている。
 国税に関する法律も含め、二つ以上の法律の改正を提案しようとする場合においては、一般に、法案に盛られた政策が統一的なものであり、その結果として法案の趣旨・目的が一つであると認められるとき、あるいは内容的に法案の条項が相互に関連して一つの体系を形作っていると認められるときは、一つの改正法案として提案することができると考えている。