質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一三三号

日米地位協定の運用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年五月二十九日

松野 信夫   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日米地位協定の運用に関する質問主意書

 本年四月十三日、沖縄県北谷町で、駐留米軍の子供達が基地外で窃盗(万引き)した現場で店員らに取り押さえられたが、駆けつけた米軍憲兵が先に手錠をかけて拘束した。その直後に沖縄県警は現場に到着し、県警は、米軍憲兵に対して窃盗の疑いのある子供達の身柄引き渡しを要請したが、米軍側はこれに応ぜず、子供達の身柄を基地内に移してしまった。こうした米軍憲兵の行為は日米地位協定に違反するものではないかと考えられるが、かかる行為が今後とも継続するようであれば大きな問題である。
 そこでこうした事実関係を明確にするため、以下のとおり質問する。

一 本事件は、日米地位協定によれば、基地外における犯罪で、また公務中の米兵の犯罪でもないから、第一次裁判権及び捜査の優先権は我が国にあると思われるがその通りか。

二 日米地位協定によれば、基地外での憲兵の警察権は、米軍構成員の間の規律や秩序維持のための必要な範囲に限定されているので、本件のような米兵の家族の場合には該当しないと思われるが、その通りか。

三 本件は、日米地位協定に違反して沖縄県警察の捜査権が妨害されたものではないかと考えられるが、政府はこの点をどのように考えるか、見解を明らかにされたい。また、日米地位協定が、実際には米軍側で遵守されていないことについて、米国政府に対して抗議ないしは申し入れをすべきではないかと思われるが、その予定はあるか。ないとすれば、どのようにして遵守を求めるのか、それぞれ明らかにされたい。

  右質問する。