質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第六六号

家電リサイクルに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年三月十日

水戸 将史   


       参議院議長 江田 五月 殿



   家電リサイクルに関する質問主意書

 家電リサイクル法が二〇〇一年四月に施行されて以来、対象四品目とも再商品化率が法令上の義務を上回る一方、不法投棄の増加、海外に輸出された廃家電が引き起こす環境、健康への影響が懸念される等、今後の課題も多く指摘される。
 より効率的なリサイクルを推進するため、以下質問する。

一 平成十七年度に消費者から小売業者に引き取られた対象四品目のうち、その後、製造業者等により再商品化された台数は千五十五万台と推計されている。しかし、小売業者へのアンケート結果を基にした台数を集計すると千四百二十四万台となっていて、約三百六十九万台の乖離がある。この数値の乖離の原因は何か、また、この乖離を埋めるための対応を今後どのように考えているのか見解を示されたい。

二 消費者からリサイクル料金を受け取って小売業者が引き取った廃家電のうち、製造業者へ引き渡さず海外向けに販売する、いわゆる引渡義務違反の実態をどの程度把握しているのか、また、これに対する対応を今後どのように進めるのか、見解を示されたい。

三 小売業者が廃家電の引取に際し、再商品化すべきものとリユース向け販売に回すものとの線引きはどのように判断するのか。再商品化するためリサイクル料金を受け取りながらリユース向け販売に回した件数はどのくらいと把握しているのか。リサイクルリユースの仕分けに関する指針が必要と考えるが、見解を示されたい。

四 家電リサイクル法の義務外品の回収体制を今後どのように構築する考えか。現行、家電リサイクル法の対象は四品目となっているが、これを拡大する考えはないか、見解を示されたい。

五 消費者の間にリサイクル料金が高いとの不満がある。そのことが不法投棄につながる一因ともなっている。一方で、製造業者が再商品化に要した費用が不明なことも消費者の不満の一因でもある。製造業者に再商品化に要した費用を公表・報告を求めるべきだとの議論があるが、見解を示されたい。併せて不法投棄対策の一環として家電製品にICタグを付けることが中央環境審議会等でも検討されているが、実現化する考えはあるか、見解を示されたい。

六 小売業者が引き取った廃家電は現在、A、B二グループの指定引取場所に収集運搬される。二グループにした理由は何か、各グループ内の指定はどのように決められたのか、グループ内の指定を増やすことは可能なのか、見解を示されたい。また、収集運搬の効率性、費用負担軽減の観点からA、B共有化を求める要望があるが、併せて見解を示されたい。

七 現在、家電リサイクル法ではなく廃棄物処理法に基づいて廃家電のリサイクルを進める、いわゆる大阪方式が実施されているが、このあり方は是とするのか、今後こうした方式が拡散することについてどのような見解を持っているのか、また、将来的に大阪方式を廃家電リサイクルに統合すべきと考えるのか、見解を示されたい。

八 現在、障害者雇用促進の一環としてNPOや事業所等が廃家電を手作業で分別しリサイクルする事例が見られる。しかし、これは現行A、Bどちらのグループにも属さない。リサイクルの推進、障害者雇用の促進の観点から既存の二グループに組み入れる、あるいは新たに第三のグループを設定する考えはないか、見解を示されたい。

九 現行、廃家電のリサイクルは家電リサイクル法による再商品化と廃棄物処理法による資源回収という二つの法体系があるが、消費者には分かりづらく制度の悪用も起きている。循環型社会の構築のためには制度・法体系を一体化すべきと考えるが、見解を示されたい。

  右質問する。