質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第五七号

文部科学省から学校法人への再就職等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年二月二十八日

浅尾 慶一郎   


       参議院議長 江田 五月 殿



   文部科学省から学校法人への再就職等に関する質問主意書

 今日、とりわけ私立大学を取り巻く環境は厳しく、各大学は創意と工夫を凝らしながら、教育研究および社会貢献の各面において切磋琢磨している。各大学が大学・教員の自治および自己決定と自己責任の原則にもとづき、諸活動を積極的に展開することは、教育の活性化にも資するものであり、歓迎される。しかるに近年、所管官庁である文部科学省(旧文部省を含む。以下同じ。)の退職者が学校法人に再就職し、大学経営に直接携わっている例が少なくなく、同省が大学・教員の自治を侵害しているとの指摘が強い。
 このような観点から、以下質問する。

一 平成十年度から十九年度までの十年間、学校法人に常勤の役員として再就職(再再就職以降を含む。以下同じ。)した文部科学省退職者の氏名および再就職先の機関・役職、最終官職を明らかにされたい。また、このような再就職について、文部科学省から学校法人に対し、直接間接を問わず、斡旋や依頼の事実があるのか否かも明らかにされたい。

二 学校法人に対して監督権限を有する文部科学省からの再就職者が学校法人の経営に当たるのは、私立学校法第一条で定める私立学校の「自主性」を阻害すると考えられるが、これについての政府の見解を明らかにされたい。

三 文部科学省からの再就職者が理事長を務める学校法人において、当該理事長と同法人の学校(教学)との間で、学校運営上の重要事項について方針の不一致があり、教育面において混乱が生じた例を政府は把握しているか。また、大学・教員の自治を損ね、同様の混乱が生ずる切迫した恐れがある場合、政府として事前に迅速に指導監督を行い、正常化を図るべきだと考えられるが、これについての政府の見解を明らかにされたい。

四 文部科学省が所管する社団法人文教施設協会と学校法人の利益は必ずしも一致していないと見受けられるが、両団体の役員を兼職することに問題はないか。また、同省を退職し、学校法人に常勤の役員として再就職した者のうち、同協会の役員を兼ねる者の氏名、再就職先の機関・役職、および同協会における役職を明らかにされたい。

  右質問する。