第169回国会(常会)
質問第二七号 北上川上流改修一関遊水地事業に関連した遊水地内営農被害の増大に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十年二月十三日 平野 達男
参議院議長 江田 五月 殿 北上川上流改修一関遊水地事業に関連した遊水地内営農被害の増大に関する質問主意書 表記について、以下のとおり質問する。 一 わが国の河川においては、本流、支流とも連続堤防によって河道を囲い、洪水を流下させることで、流域の洪水被害の防止、軽減が図られている。最上流域の洪水調整ダムの運用と相まって、連続堤防方式による治水は、大きな効果を発揮している。その一方、洪水は、河川に集中するため堤防が決壊した場合の被害は甚大なものになる。連続堤防方式による治水の長所と問題点について政府はどのように認識しているか。 二 連続堤防方式では上流域が洪水被害から免れる分、下流域に洪水が集中するため、下流域ではより広い河道、高い堤防の建設が必要となる。下流部において、計画洪水量を流下させるだけの河道、高い堤防建設が技術的・経済的に困難な場合、最大洪水量を平滑化し、下流域での治水工事費の軽減に資するため設置されるのが遊水地である、と考えられるが政府の見解如何。 三 現在建設中の一関遊水地の洪水時における最大水位、最大貯留量は、一関市街地などの洪水被害の防止、軽減のための周囲堤の建設による影響、遊水地から上流域での洪水被害の防止、軽減のための連続堤防の建設による影響、を受けると考えられるが政府の見解如何。 また、このことについて遊水地内の地権者に対しどのような説明を行ってきたのか。その説明資料と併せて示されたい。 四 一関遊水地に関し、周囲堤の建設によって、次の各条件のもとで、①遊水地の水位、②遊水地内貯留量、③冠水面積、にどのような影響を受けるか数値で示されたい。 1 平成十九年九月の洪水 2 設計洪水時(年超過確率百五十分の一) 五 一関遊水地から上流域の堤防は計画どおり完成しているか。していないとすれば完成度はどの程度か。また、流域においてどの部分が完成していないのか示されたい。 六 周囲堤の完成した一関遊水地に関し、上流域の連続堤防の建設によって、次の各条件のもとで、①遊水地の水位、②遊水地内貯留量、③冠水面積、にどのような影響を受けるのか数値で示されたい。 1 平成十九年九月の洪水 2 設計洪水時(年超過確率百五十分の一) なお、一関遊水地から上流域の連続堤防が①現状を前提、②計画に沿って全線完成したことを前提、の二つに分けて示されたい。 七 六について遊水地の営農に与える影響についてどのように評価しているか。 八 外堤と上流域の連続堤防の建設による遊水地内の営農に与える影響をどのように評価しているか。 右質問する。 |