質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第八六号

内閣参質一六八第八六号
  平成十九年十二月二十一日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員峰崎直樹君提出租税特別措置の減税額に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員峰崎直樹君提出租税特別措置の減税額に関する質問に対する答弁書

一について

 各省庁においては、毎年度の租税特別措置に係る税制改正要望事項を提出するに当たり、関係団体からのヒアリングや個々の租税特別措置の利用状況等に関するアンケート調査等を通じて、その適用実態の把握に努めているところである。

二及び三について

 租税特別措置を適用した事業者ごとの減税額については、当該事業者が納税地を所轄する税務署長に提出した確定申告書又はその添付書類の記載等から個別に把握し得るものである。
 すべての租税特別措置についてそれぞれの適用実績を総体として取りまとめることは行っていないが、一部の租税特別措置の適用実態については、租税収入の見積もり、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的として、従来から統計処理を行った上で統計数値として公表しているところである。

四について

 二及び三についてで述べたとおり、租税特別措置を適用した事業者ごとの減税額については、当該事業者が納税地を所轄する税務署長に提出した確定申告書又はその添付書類の記載等から個別に把握し得るものであるが、税務職員には、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第百条及び第百九条、所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百四十三条、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第百六十三条、相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)第七十二条、地価税法(平成三年法律第六十九号)第四十二条並びに消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第六十九条により守秘義務が課せられており、これを公表していないところである。
 税務職員の守秘義務については、申告納税制度の下で税務の執行を円滑かつ公正に行うに当たり、納税者の信頼と協力を得るために必要なものであり、仮に、税務職員が職務上知り得た秘密を漏らした場合には、納税者と税務当局との信頼関係が損なわれ、税務行政の運営に重大な支障を来たすことにもなりかねないものであると考えている。

五について

 補助金等の交付先事業者名について、各省庁において公表しているものもあるが、税務職員には、四についてで述べたとおり、国家公務員法、所得税法、法人税法等により守秘義務が課せられており、租税特別措置を適用した事業者ごとの減税額を公表していないところである。
 四についてで述べたとおり、税務職員の守秘義務については、申告納税制度の下で税務の執行を円滑かつ公正に行うに当たり、納税者の信頼と協力を得るために必要なものであり、仮に、税務職員が職務上知り得た秘密を漏らした場合には、納税者と税務当局との信頼関係が損なわれ、税務行政の運営に重大な支障を来たすことにもなりかねないものであると考えている。

六について

 御指摘の「高額納税者公示制度」(以下「公示制度」という。)については、昭和二十五年に、主として第三者の監視により、適正申告に係る牽制的効果の発揮を目的として設けられたものである。
 公示制度については、税制調査会の「平成十八年度の税制改正に関する答申」(平成十七年十一月)における「所期の目的外に利用されている面がある、犯罪や嫌がらせの誘発の原因となっている等、種々の指摘がなされている。また、これに加え、個人情報保護法の施行を契機に、国の行政機関が保有する情報について一層適正な取扱いが求められている。このような諸事情を踏まえ、公示制度は廃止すべきである。」との指摘を踏まえ、平成十八年度税制改正において、所得税法等の改正により、これを廃止したところである。

七について

 租税特別措置による事業者の減税額に関する情報が、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)第二条第二項に規定する「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)」である場合には、同法の個人情報に該当することとなる。