質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七六号

内閣参質一六八第七六号
  平成十九年十二月十四日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員峰崎直樹君提出検察官の行う「証人テスト」に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員峰崎直樹君提出検察官の行う「証人テスト」に関する質問に対する答弁書

一の1について

 いわゆる証人テストは、刑事訴訟規則(昭和二十三年最高裁判所規則第三十二号)第百九十一条の三の規定に基づいて実施しているものである。

一の2について

 お尋ねのような通達又は指示書は存在しない。

一の3について

 最高検察庁は、平成十八年三月、「裁判員裁判の下における捜査・公判遂行の在り方に関する試案」を取りまとめたところであり、同試案において、いわゆる証人テストについて、「証人テストでは、証人が体験した事実、記憶状況、表現能力等について十分確認を行い、記憶を整理させておく必要がある。」としているほか、「証人テストでは、証人の心構え(例えば、体験した事実を記憶に従って正確に答えることなど)や裁判員裁判の概要や主尋問、反対尋問等の訴訟手続等について分かりやすく説明するなど、証人が安心して証言に臨むことができる環境を整えておく必要がある。」などとされている。
 最高裁判所による見解については、承知していない。

二の1について

 一般に、多数回にわたりいわゆる証人テストが行われたことのみをもって、その後になされた証言の証拠能力が否定されるわけではないと思われる。

二の2について

 お尋ねは、裁判所の判決内容に関するものであり、答弁を差し控えたい。

二の3について

 お尋ねのような調査結果は存在しない。
 また、いわゆる証人テストの回数や所要時間については、事案によって異なり、一概に答弁することは困難である。

三の1について

 検察当局においては、証人が体験した事実、記憶状況、表現能力等について十分確認するなどして、いわゆる証人テストを適切に実施しているものと承知しているが、一般論としては、仮に不当な証人テストが実施されることにより証言の信用性に問題があると疑われる場合には、証人尋問において、その経緯等が吟味されるものと承知している。

三の2について

 裁判員の参加する裁判においては、一般国民にとっても分かりやすく、かつ、迅速な公判審理を実現することが肝要であり、そのためには、証人尋問に際しても、いわゆる証人テストを含め、事前に十分な準備をする必要があると考えている。