質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六七号

内閣参質一六八第六七号
  平成十九年十二月四日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員松野信夫君提出鳩山邦夫法務大臣の死刑執行に関してなされた発言等に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松野信夫君提出鳩山邦夫法務大臣の死刑執行に関してなされた発言等に関する再質問に対する答弁書

一及び二について

 刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第四百七十五条第二項本文においては、死刑の執行の命令は判決確定の日から六か月以内にしなければならない旨が規定されているが、これは、一般に、訓示規定であると解されており、六か月以内に死刑の執行の命令がなされなくても、裁判の執行とはいえ、人の生命を絶つ極めて重大な刑罰の執行に関することであるため、その執行に慎重を期していることによるものであって、違法であるとは考えていない。また、同項ただし書は、再審請求等がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であった者に対する判決が確定するまでの期間について、これを右に述べた六か月の期間に算入しない旨を定めたものであると解している。

三について

 再審請求等の手続が終了した後の期間は、他に刑事訴訟法第四百七十五条第二項ただし書に定める事由がない限り、同項本文に定める六か月の期間に算入されるものと解している。
 先の答弁書(平成十九年十一月二日内閣参質一六八第三一号)五についてで明らかにした死刑確定判決については、刑事訴訟法第四百七十五条第二項に定める期間内に死刑の執行の命令がなされなかったものがあるが、一及び二についてで述べたとおり、違法であるとは考えていない。

四について

 法務大臣が死刑の執行を命令した後に、検察官が刑事訴訟法第四百四十二条ただし書に該当するものとしてその執行を停止すべきであると思料するに至ったときには、検察官は、法務大臣の判断を仰ぐこととなると考えている。現在把握している限りにおいて、再審請求後に検察官が同条ただし書により死刑の執行を停止した事例はないものと承知している。

五について

 御指摘の「死刑執行については抜本的に改める」との趣旨が明らかではないが、法務省においては、現在のところ、死刑制度の存続を前提として、その執行の在り方について勉強を行っているところである。