質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四二号

内閣参質一六八第四二号
  平成十九年十一月九日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員藤末健三君提出「人間の安全保障」の観点からの国際貢献に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出「人間の安全保障」の観点からの国際貢献に関する質問に対する答弁書

一について

 政府は、アフガニスタンが再びテロの温床とならないようにするためには、治安・テロ対策と人道・復興支援の双方が必要であり、いずれか一方が他方を代替できるものではないと考えている。また、国際的なテロリズムの防止のためには、国際社会と緊密に協力しつつ、テロ発生を助長する貧困等の問題を解決することが重要であると認識している。
 我が国は、テロ、災害、感染症、貧困等、人間に対する直接的な脅威に対処するため、個々の人間の保護と能力強化を重視する「人間の安全保障」の考え方を推進しており、この考え方を政府開発援助大綱(平成十五年八月二十九日閣議決定)の基本方針の一つとして掲げ、我が国が国際連合(以下「国連」という。)に設置した人間の安全保障基金への拠出、草の根・人間の安全保障無償資金協力等を通じ、その実践に努めている。
 これらの実践を通じた「人間の安全保障」の考え方の普及に加え、我が国の外交努力の結果、平成十七年の国連首脳会合成果文書において「人間の安全保障」が取り上げられ、これを踏まえて国連における議論を深めるため、我が国主導で「人間の安全保障フレンズ会合」を立ち上げる等の取組を行っている。国連以外の場においても、欧州連合(EU)や欧州安全保障・協力機構(OSCE)の関係者・関係国等が開催する人間の安全保障関連の各種会議に積極的に参加したほか、各種国際会議、二国間首脳会談等において「人間の安全保障」を取り上げ、この考え方に基づく国際協力を推進している。
 これらの取組については、我が国、関係国及び国際機関による広報、国際会議に関するプレスリリースや報道機関による報道等を通じて広く周知されていると承知している。

二について

 今後も、政府開発援助(ODA)を通じた「人間の安全保障」の実践、「人間の安全保障フレンズ会合」の開催及び平成二十年に我が国で開催される第四回アフリカ開発会議(TICADⅣ)等の国際会議、二国間首脳会談等における議論を通じ、人間の安全保障の推進に努めていく考えである。
 これらの取組については、一についてで述べた方法等により、広く周知されるものと考えている。