質問主意書

第168回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一〇六号

年金記録問題への対応に必要な経費等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年十二月二十八日

蓮舫   


       参議院議長 江田 五月 殿



   年金記録問題への対応に必要な経費等に関する質問主意書

 年金記録問題への対応に必要な経費は国民の税金で賄われている。この問題はそもそも、社会保険庁のずさんな記録管理に端を発している。そのため、経費の使用が適正であるか否かを判断するための情報公開が強く求められる。
 そこで、平成十九年度補正予算案及び平成二十年度予算案における年金記録問題に対応するための所要額やこれに対する政府の認識について、以下のとおり質問する。

一 平成十九年度補正予算案における年金記録問題に対応するための所要額について

1 五千万件の名寄せ該当者への加入履歴へのお知らせ(いわゆる「ねんきん特別便」)にかかる経費百五十八億円の積算根拠を明らかにされたい。
 また、ねんきん特別便に関し、①作成及び発送準備業務については、トッパン・フォーム(株)、共同印刷(株)、②リーフレットの作成については、アイネット(株)、③送付用窓開封筒の作成については、(株)山口封筒店、(株)イムラ封筒、④返信用封筒の作成については、光文堂印刷(株)、(株)イムラ封筒、がそれぞれ現時点で契約を締結している。これらの①から④の入札時の応札社数、落札金額とその詳細な内訳、落札率をそれぞれ明らかにされたい。明らかにできないのであれば、法的根拠を含めた理由を示されたい。
2 ねんきん特別便専用ダイヤルにかかる経費十八億円の積算根拠を明らかにされたい。
 また、ねんきん特別便専用ダイヤルは、(株)もしもしホットライン、(株)KDDIエボルバが現時点で契約を締結している。この入札時の応札社数、落札金額とその詳細な内訳、落札率をそれぞれ明らかにされたい。
 さらに、ねんきん特別便専用ダイヤルは、総合評価入札とのことであるが、金額以外において重視した点を明らかにされたい。明らかにできないのであれば、その法的根拠を含めた理由を示されたい。
3 旧台帳データの電子データ化にかかる経費二十五億円の積算根拠を明らかにされたい。
 また、旧台帳データの電子データ化にかかる契約を締結した契約社名、応札社数、落札金額とその詳細な内訳、落札率をそれぞれ明らかにされたい。
 さらに、旧台帳データの電子データ化にかかる契約が総合評価入札であれば、金額以外に重視した点を明らかにされたい。明らかにできないのであれば、その法的根拠を含めた理由を示されたい。
4 前記の経費のために、既定経費の節約、施設売却や人員削減といった財政に係る合理化努力によって四十四億円を捻出したと、私は厚生労働省から説明を受けているが、この四十四億円の積算根拠を示されたい。

二 平成二十年度予算案における年金記録問題に対応するための所要額二百九十八億円について

1 ねんきん特別便によるすべての方への加入履歴のお知らせにかかる経費百六十二億円の積算根拠を明らかにされたい。
2 ねんきん特別便専用ダイヤルにかかる経費五十八億円の積算根拠を明らかにされたい。
3 コンピューターの記録と台帳等との計画的な突き合わせにかかる経費七十一億円の積算根拠を明らかにされたい。

三 年金記録問題への対応に必要な経費に対する政府の認識について

1 政府は、年金記録問題への対応に必要な経費について、情報公開の方法、時期が適切で国民の理解が十分に得られていると考えているか明らかにされたい。
2 政府は、今後どのような方法で、年金記録問題への対応に必要な経費についての国民への情報公開を行っていくのか明らかにされたい。
3 積算された経費は妥当で、最大限節減努力をしたと判断しているのか。政府の認識を示されたい。
4 国民にこのような多大な負担を発生させた責任者を処分し、謝罪してから、このような予算措置をすべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。