質問主意書

第168回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五九号

鳩山邦夫法務大臣の「友人の友人はアルカイーダ」発言等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年十一月十六日

松野 信夫   


       参議院議長 江田 五月 殿



   鳩山邦夫法務大臣の「友人の友人はアルカイーダ」発言等に関する質問主意書

 鳩山邦夫法務大臣が、本年十月二十九日、東京都内で行われた日本外国特派員協会での講演で、二〇〇二年十月十二日に発生したインドネシア・バリ島の爆破テロ事件に言及し、「私の友人の友人がアルカイーダだ。二、三年前は何度も日本に来ていた。彼はバリ島の爆破事件に関与していた。私は、彼の友人の友人ですけど、バリ島の中心部は爆破するから近づかないようにというアドバイスを受けていた。」と発言したことが、日本国内はもとより、外国メディアを通じて国際的なニュースともなり、大きな問題になっている。この発言については一部訂正がなされたとの報道もあるが、法務大臣はその後の十一月三日にも、福岡県久留米市の祭りの席で、「テロリストの怖いのが平気で日本をうろうろしている。」とも繰り返し発言している。誠に不謹慎極まりなく、このままでは今後の法務行政、入国管理行政に悪影響も与えかねない。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 鳩山法務大臣の日本外国特派員協会での発言、及び福岡県久留米市での発言の内容は、前記の括弧内のとおりか。また、その後に訂正若しくは釈明しているのであれば、その内容を明らかにされたい。

二 鳩山法務大臣が言及するアルカイーダは、法務大臣の「友人の友人」ということであるから特定することが可能であると思われる。その具体的氏名は特定されているのか、明らかにされたい。

三 鳩山法務大臣は、友人から得ている情報については、日本及びインドネシアの警察又は法務当局等、若しくは国際機関などに通知をしているのか。あるいは何らかの捜査協力をしているのか。通知あるいは捜査協力をしていないとすれば、できない理由は何か、間接的な友人に迷惑をかけるからできないのか、それぞれ明らかにされたい。
 また、鳩山法務大臣が、前記通知若しくは捜査協力をしたのであれば、日本の関係省庁はどのような対応をしたのか、何らの対応もしなかったのであれば、なぜ取らなかったのか、それぞれ明らかにされたい。さらに、インドネシアの警察又は法務当局等や国際機関の対応について、政府はどのように把握しているか、明らかにされたい。

四 前記インドネシア・バリ島で発生した爆破テロ事件での日本人犠牲者の遺族から、法務大臣あてに抗議の通知がなされているという報道がある。こうした抗議がなされたことは事実であるか、事実であれば、その概要を明らかにされたい。法務大臣としてはこうした抗議をどのように受け止めて、いつまでに、どのように対処するのか、明らかにされたい。

五 仮に鳩山法務大臣が発言しているとおり、テロリストが日本に複数名、複数回も侵入しているとすれば由々しきことである。こうした事態については、単に法務大臣個人の認識なのか、それとも政府としても同様の認識を有しているのか、明らかにされたい。また、仮に侵入の事実が間違いないとすれば、これにどのように対処してきたか、また今後どのように対処するのかそれぞれ明らかにされたい。

六 福田政権においては、今般の鳩山法務大臣の発言を容認するのか、政府の見解を示されたい。また、福田政権では、法務大臣に対して何らか注意ないしは指導などをしたのか、明らかにされたい。

  右質問する。