質問主意書

第168回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一三号

日本銀行業務方法書に基づく株式の買入れ等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年十月一日

大久保 勉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日本銀行業務方法書に基づく株式の買入れ等に関する質問主意書

 今月から、日本銀行の保有する株式の処分が順次行われる。中央銀行による株式買入れそのものが異例の政策だったこともあってか、株式の処分に関しても、体制が十分に整備されているとはいえないとも指摘されている。
 よって、日本銀行業務方法書(以下「方法書」という。)第四十九条の四(株式の買入れ等)に関して、以下の質問をする。

一 方法書第四十九条の四に基づいて行われた、日本銀行が買入れた株式について、直近における簿価総額と時価総額と評価益について政府は把握しているか。把握しているのであれば、それぞれ明らかにされたい。

二 方法書第四十九条の四の八に基づく株式の処分による実現益は最終的に国民に帰属するという意見があるが、これに対する政府の見解を示されたい。また、日本銀行は実現益を最大化しなければならず、処分される株式を発行している企業や大口投資家、証券会社等に対し、特別の利益供与をもたらす行動は、厳に慎むべきであるとの意見があるが、これに対する政府の見解を併せて示されたい。

三 株式の処分を委託した信託銀行に関して、信託部門と預金貸出等を行う銀行部門等との利益相反防止体制を政府は把握しているか、明らかにされたい。また、信託銀行と同一の持ち株会社の傘下にある証券会社等との利益相反防止体制についても政府は把握しているか、併せて明らかにされたい。

四 株式の処分を委託した信託銀行との契約を開示すべきではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。なお、開示できない場合、その理由を政府としてどのように承知しているのか、併せて示されたい。

  右質問する。