質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第七九号

内閣参質一六六第七九号
  平成十九年七月十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員又市征治君提出「小規模多機能型居宅介護保険事業」の現状に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員又市征治君提出「小規模多機能型居宅介護保険事業」の現状に関する質問に対する答弁書

一の1について

 小規模多機能型居宅介護事業所については、昨年四月の制度創設以来、着実に増加し、独立行政法人福祉医療機構の情報ネットワークシステムに登録している事業所数をみると、本年六月三十日現在で九百八箇所となっている。また、小規模多機能型居宅介護の事業主体別の構成割合としては、営利法人約四十七パーセント、社会福祉法人約二十四パーセント、医療法人約十四パーセント、非営利法人約十パーセント、その他約五パーセントとなっているが、御指摘の「在来型」の事業主体別の構成割合を把握していないことから、これらについて比較し、両者の違いを明らかにすることは困難である。

一の2について

 厚生労働省においては、小規模多機能型居宅介護事業所の整備について地域介護・福祉空間整備交付金により支援するとともに、小規模多機能型居宅介護サービスの普及事業について地域介護・福祉空間推進交付金により支援しているところである。

一の3について

 小規模多機能型居宅介護については、他の居宅サービスと比べて利用定員が充足されるまでにより多くの時間を要することが想定されるため、事業開始後六箇月間は最少で定員の五十パーセントを基準とする人員配置を認めることにしたほか、事業所の所在地の市町村長の同意を得て、当該市町村以外の市町村長が指定を行うことも可能な仕組みとしているところである。
 また、小規模多機能型居宅介護の介護報酬については、社会保障審議会介護給付費分科会における議論を経て設定されたものであり、適切であると考えているが、一定の場合には市町村が独自に高い介護報酬を設定することも可能である。

二の1について

 小規模多機能型居宅介護事業所の登録定員については、指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成十八年厚生労働省令第三十四号)により定められているところであり、市町村においては、この基準に従って事業が運営されるよう適切に対応するものであると承知している。

二の2について

 介護従業者の賃金等の労働条件については、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)等の関係法令に基づき事業者と介護従業者との間の契約で決められるものと承知している。
 また、小規模多機能型居宅介護の介護報酬については、社会保障審議会介護給付費分科会における議論を経て設定されたものであり、適切であると考えているが、一定の場合には市町村が独自に高い介護報酬を設定することも可能である。

二の3について

 二の2についてで述べたとおり、小規模多機能型居宅介護の介護報酬は、社会保障審議会介護給付費分科会における議論を経て設定されたものであり、適切であると考えているが、今後の小規模多機能型居宅介護の介護報酬の在り方については、本年十月に実施する「介護事業経営概況調査」の結果を待って検討することとしたい。
 また、厚生労働省としては、小規模多機能型居宅介護の制度創設前から通所介護などの居宅サービスと自主事業を組み合わせたサービスに取り組んできた事業者のすべてが、小規模多機能型居宅介護に移行することは想定しておらず、従来のサービスと小規模多機能型居宅介護とを比較した上で、どちらかを選択してもらいたいと考えていたところであり、小規模多機能型居宅介護の創設後も自主事業等に取り組むことが妨げられることのないよう所要の通知を発出したところである。

二の4について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。

三について

 小規模多機能型居宅介護サービスについては、昨年四月の制度創設後約一年が経過したばかりであり、厚生労働省としては、まずは、サービスの一層の普及に努めてまいりたいと考えているところである。今後については、サービスの普及状況も踏まえ、介護報酬の在り方を含め小規模多機能型居宅介護の在り方を検討してまいりたい。