質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第七五号

内閣参質一六六第七五号
  平成十九年七月十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員吉川春子君提出郵便局のネットワークの維持とサービス低下に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員吉川春子君提出郵便局のネットワークの維持とサービス低下に関する質問に対する答弁書

一の1について

 平成十八年六月二十八日付けで日本郵政公社(以下「公社」という。)が公表した「集配拠点、郵便貯金・簡易生命保険の外務営業拠点の再編について」(以下「集配再編」という。)に基づいて集配事務を取りやめた郵便局数については、千四十一局(平成十九年七月五日現在)と承知している。
 そのうち、郵便局株式会社法(平成十七年法律第百号)が想定する過疎地に存する郵便局数については、現在、郵政民営化に向けて、離島振興法(昭和二十八年法律第七十二号)第二条第一項の規定により指定された離島振興対策実施地域、奄美群島振興開発特別措置法(昭和二十九年法律第百八十九号)第一条に規定する奄美群島、山村振興法(昭和四十年法律第六十四号)第七条第一項の規定により指定された振興山村、小笠原諸島振興開発特別措置法(昭和四十四年法律第七十九号)第二条第一項に規定する小笠原諸島、半島振興法(昭和六十年法律第六十三号)第二条第一項の規定により指定された半島振興対策実施地域、過疎地域自立促進特別措置法(平成十二年法律第十五号)第二条第二項の規定により公示された地域及び沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第三条第三号に規定する離島の現住所を調査中であることから、現時点でお答えすることは困難である。
 集配再編の実施に伴い、窓口取扱時間外における郵便物の引受け等の事務を取り止めた郵便局数については、三千五百九十八局(平成十九年七月五日現在)であると承知している。

一の2について

 公社においては、集配再編の実施に当たっては、郵便局自体は引き続き存続させるとともに、地域住民への十分な説明を行い、きめ細かい代替施策を行うなどサービス水準の維持を図るべく努めてきたものと承知している。

二について

 政府としては、公社が、ATMの再配置に当たり、利用者の利便性に配慮した柔軟な対応をとることが必要と考えており、公社においても、利用件数が少ないATMを一律に撤去するのではなく、設置箇所が長期入院患者を専門的に扱う療養所である等の個別事情を考慮し、社会的に必要と考えられるATMは存置しているものと認識している。
 郵政民営化後のATMの再配置については、今後判断基準を変更するか否かも明らかでないことから、仮定の質問に対する答弁は差し控えたい。

三の1について

 郵便局の増減数については、普通郵便局は、十五年度中は増減なし、十六年度中は二局の減、十七年度中は四局の減、十八年度中は十局の減、特定郵便局は、十五年度中は六局の減、十六年度中は十二局の減、十七年度中は六局の減、十八年度中は七局の増、簡易郵便局は、十五年度中は三十一局の減、十六年度中は二十三局の減、十七年度中は三十七局の減、十八年度中は五十四局の減、また、一時閉鎖局(天災や簡易郵便局受託者の都合等により五日間以上閉鎖しているが、公社において再開に向けて取り組んでいる局をいう。)の増減数については、普通郵便局は、該当はなく、特定郵便局は、十五年度中は一局の減、十六年度中は五局の増、十七年度中は二局の増、十八年度中は四局の減、簡易郵便局は、十五年度中は三十八局の増、十六年度中は五十三局の増、十七年度中は六十局の増、十八年度中は八十五局の増となっている。
 また、そのうち、過疎地に存する種別ごとの郵便局数については、現在、郵政民営化に向けて、離島振興法第二条第一項の規定により指定された離島振興対策実施地域、奄美群島振興開発特別措置法第一条に規定する奄美群島、山村振興法第七条第一項の規定により指定された振興山村、小笠原諸島振興開発特別措置法第二条第一項に規定する小笠原諸島、半島振興法第二条第一項の規定により指定された半島振興対策実施地域、過疎地域自立促進特別措置法第二条第二項の規定により公示された地域及び沖縄振興特別措置法第三条第三号に規定する離島の現住所を調査中であり、現時点でお答えすることは困難である。
 公社発足時からの郵便局ネットワークの水準については、人口の動態等によってやむを得ず郵便局が廃止される場合があるが、公社は、関係自治体や利用者の理解を十分に得ることや他の郵便局による代替可能性などを十分に考慮し、地域住民の利便に支障が生じないよう配慮しており、日本郵政公社法施行規則(平成十五年総務省令第四号)第二条に定める郵便局ネットワークの水準は維持されているものと考えている。

三の2について

 公社期間中の郵便局ネットワークの水準は維持されていると考えており、御指摘の規定が郵便局ネットワークの水準の切下げにつながるとの認識は有していない。

四について

 郵便貯金銀行(郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号)第九十四条に規定する株式会社をいう。以下同じ。)については、平成十九年六月二十二日付けで日本郵政株式会社(以下「会社」という。)及び公社が、普通為替、定額小為替、通常払込み、電信払込み、電信振替の一部、通常現金払、電信現金払、簡易払及び振替小切手の小切手帳の発行の料金を、公社が提供していた料金と比較して変更する旨、また、そのうち、通常払込みの一部、電信振替の一部及び簡易払の一部を除き、公社が提供していた料金と比較して料金が引き上げとなる旨を公表している。
 郵便保険会社(郵政民営化法第百二十六条に規定する株式会社をいう。以下同じ。)の生命保険契約の保険料について、簡易生命保険契約の保険料との差異が生じるかどうかについては、現時点で承知していない。
 郵便事業株式会社の郵便に関する料金について、公社の郵便に関する料金との差異が生じるかどうかについては、現時点で承知していない。
 郵便局株式会社が郵便事業株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社以外の者から受託する業務について、現行の料金との差異が生じるかどうかについては、現時点で承知していない。

五について

 郵便貯金銀行については、平成十九年六月二十二日付けで会社及び公社が、公社が提供していた積立貯金、住宅積立貯金、教育積立貯金、介護定期貯金、団体取扱い、単票式貯金証書の取扱い、証書扱いのゆうゆうローン、電信為替(証書払・居宅払・窓口払)、電信現金払(証書払・居宅払)、通常現金払(帳票扱い)、簡易払(株式配当金以外の支払)、通常振替、定期継続振替、自動移替、定期払出し、普通為替証書の受取人への送達、為替金・払出金の払渡済み通知、受払通知票・払出証書・支払通知書の速達送達、受入明細通知(データ伝送によるものを除く。)、郵便振替MTサービスにおけるMT等の副本の交付、通常払込みの払込証明サービス(ただし、既利用者が調製・配布した払込書に係るものは二〇〇八年三月末まで取り扱う。)、受入明細票の郵送(総合口座あての普通郵便による送付を除く。)、電信現金払の払渡内容通知、払出金の払渡未済通知、払出金の払渡しの停止及び停止の解除、自動払込みの受入証明サービス、国債の現金による購入及び売却、国債等保護預り証書等による国債担保貸付け、国際ボランティア貯金及び災害ボランティア口座の取扱いを終了する旨を公表している。
 郵便保険会社の生命保険契約について、簡易生命保険契約と比較してサービスの縮小が生じるかどうかについては、現時点で承知していない。
 郵便事業株式会社については、公社が、平成十九年十月一日から、代金引換郵便物の引換金額の送金方法のうち、電信居宅払、電信窓口払、電信証書送達及び電信証書留置に係る取扱いを廃止するほか、引換金受領証に係る印紙税に相当する額を引換金額から差し引いた金額を送金する旨を公表している。
 郵便局株式会社が郵便事業株式会社、郵便貯金銀行及び郵便保険会社以外の者から受託する業務について、現行のサービス項目を変更するかどうかについては、現時点で承知していない。