質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第五五号

内閣参質一六六第五五号
  平成十九年七月六日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員福島みずほ君提出森林行政・労働行政における林業労働力に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出森林行政・労働行政における林業労働力に関する質問に対する答弁書

一について

 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成八年法律第四十五号)に基づき、林業労働力確保支援センター(同法第十一条第一項の林業労働力確保支援センターをいう。以下同じ。)に林業雇用改善アドバイザーを配置し、雇用管理の改善に関する情報の収集及び提供、事業主からの相談の受付、雇用管理者に対する研修等を通じて林業労働者の雇用管理の改善の促進に取り組んできており、平成十八年度には全国で合計百二十七回、三千六百九十四人の参加者に対し研修を実施するなど、林業労働者の雇用管理の改善の促進が図られているものと認識している。

二について

 林業労働者の雇用管理の改善の促進を図るためには、安定的な事業量の確保、高性能林業機械等の導入及びその活用のための林道・作業道の整備等による事業の合理化と一体的かつ総合的に促進することが必要である。
 このため、これまで、林業事業体による森林施業の受託の推進や高性能林業機械の導入等を支援してきたところであるが、本年度からは、これらに加えて、林業事業体が森林所有者に対して施業内容や収支等を明らかにして行う提案型施業による森林施業の集約化及び作業路網と高性能林業機械を組み合わせた低コスト作業システムの整備・普及に取り組むこととしている。
 また、以上の措置に加えて、引き続き、緑の雇用担い手対策事業の実施等を通じ、新規林業就業者の確保・育成に向けた支援を行うとともに、林業労働力確保支援センターにおいて雇用管理の改善に関する相談の受付、研修等を行うことにより、快適な職場環境の形成及び林業事業体の育成整備を図ってまいりたい。

三について

 山村地域の定住条件の整備については、林業における魅力ある職場づくりに加えて、居住環境の整備に努めることが重要である。このため、雇用管理の改善を通じた職場環境の改善や山村地域の用排水施設等の整備を推進してきたところである。
 また、林業労働者の社会的評価の向上については、緑の雇用担い手対策事業の実施等を通じ、林業生産活動についての広報を行っているところである。
 本年二月からは「美しい森林づくり推進国民運動」を展開しているところであり、同運動を通じ、森林・林業が国民生活の維持向上に果たしている多面的な役割及びこれらの役割を支えている林業労働の重要性について、国民の関心及び理解を深めてまいりたい。