質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第五一号

内閣参質一六六第五一号
  平成十九年七月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員浅尾慶一郎君提出中国の航空母艦建造計画と米国の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浅尾慶一郎君提出中国の航空母艦建造計画と米国の対応に関する質問に対する答弁書

一について

 中国海軍は、北海、東海及び南海の三個艦隊からなり、艦艇約七百八十隻(うち潜水艦約六十隻)、約百七万トンを保有していると承知している。現在中国海軍の近代化が進められており、近年の国防費の増加傾向を踏まえると、その近代化は継続されるものと考えている。

二について

 中国は、従来から、具体的な装備品の整備計画などについて明らかにしておらず、中国が実際に航空母艦を保有するかという点について確たることを申し上げることは困難であり、また、中国海軍が航空母艦を保有するという仮定の事実を前提とした質問にお答えすることは、無用の誤解を招くおそれがあるので、お答えは差し控えるが、中国は、核・ミサイル戦力や海・空軍力の近代化を推進するとともに、海洋における活動範囲の拡大等を図っており、このような動向には今後も注目していく必要があると考えている。

三について

 御指摘の報道に係る事実については、本年六月十九日より前から承知している。米国政府に対して、キーティング米国太平洋軍司令官の発言の趣旨について確認したところ、同発言は、航空母艦の開発に関し、中国を支援することを提案したものでは全くなく、仮に中国が航空母艦を開発することを選択した場合に生じる、開発することの複雑さや困難さ及び多額の費用並びにこのような計画が関係国に与える印象について強調することを意図したものである旨の回答を得ている。

四について

 軍要人の相互訪問や海上共同捜索救難訓練の開催等の米中両国の軍事交流は、米中二国間の相互信頼の醸成等の観点から行われているものと承知しており、その意味においてアジア太平洋地域の安全保障環境の安定化のための努力の一環として行われていると考えている。