質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第二一号

内閣参質一六六第二一号
  平成十九年四月三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員大田昌秀君提出インド洋やイラクにおいて自衛隊の装備品の修理等に従事する民間人の安全確保に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大田昌秀君提出インド洋やイラクにおいて自衛隊の装備品の修理等に従事する民間人の安全確保に関する質問に対する答弁書

一について

 平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号)に基づく協力支援活動等及びイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(平成十五年法律第百三十七号)に基づく人道復興支援活動等を行う自衛隊の装備品又は船舶に不具合が発生したため派遣された民間企業の従業員については、平成十四年七月九日から平成十七年十二月十五日までの間、延べ十七隻の船舶に対し延べ五十二人が部品交換、技術支援等を行い、また、平成十六年九月二十一日から平成十七年五月五日までの間、延べ十五人が、クウェートにおいて、通信装置等の部品交換、技術支援等を行った。
 なお、右の自衛隊の船舶の部品交換、技術支援等を行った従業員の派遣先については、自衛隊の派遣部隊の寄港地が明らかになり、今後、協力支援活動等を実施する自衛隊の安全を害するおそれがあるため、答弁を差し控えたい。

二について

 一般に、政府としては、事業者に対し、事業者は、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)で定める労働災害の防止のための最低基準を守るだけでなく、快適な職場環境の実現と労働条件の改善を通じて職場における労働者の安全と健康を確保するようにしなければならないこと等の周知に努めているところである。

三について

 御指摘の「民間人の安全確保」は、作業内容や派遣地域の状況等を踏まえ、個別具体的に判断される必要があると考えており、お尋ねのような「新たな法律あるいは派遣基準の制定等」は検討していない。

四について

 二千二年五月八日午前七時三十分ころ(現地時間)、パキスタン南部のカラチに所在するシェラトンホテルに滞在していたフランス人技術者等三十四人がバスによりカラチ港の海軍ドック・ヤードに向けて出発しようとして同ホテルの入口付近に駐車していたバスに乗車した直後、同バスに向かって接近してきた小型自動車が爆発し、その結果、フランス人技術者十一人を含む十四人が死亡し、また、その他の外国人十人を含む十八人以上が負傷したと承知している。また、この事件は、同小型自動車から犯人のものと思われる肉片が見つかったこと等からいわゆる自爆テロ事件と推定されたほか、この事件の被害に遭ったフランス人技術者は、フランス国営造船会社ディレクシオン・ドゥ・ラ・コンストリュクシオン・ナヴァル社から派遣され、パキスタン海軍とともにカラチ港において潜水艦建造プロジェクトで設計に従事していたと承知している。

五について

 万が一、不測の事態が発生した場合には、政府としては、邦人保護の観点から可能な限りの支援を行う考えである。なお、御指摘の「補償措置」については、関係法令に従い対応されるべきものと考えている。