質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第五号

内閣参質一六六第五号
  平成十九年二月二十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員松井孝治君提出柳澤厚生労働大臣の「子どもは二人以上持つのが健全」との発言に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松井孝治君提出柳澤厚生労働大臣の「子どもは二人以上持つのが健全」との発言に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 お尋ねの「健全」という用語の定義については、一般には御指摘のようなものとされていると承知しているが、その意味するところについては、文脈や発言者の意図等によって異なり得るものであり、柳澤厚生労働大臣の発言については、結婚と出産に関する希望に係る若い世代全体の意識の状況について述べたものであって、個々の家庭や個人の持つ子どもの数又はそのことについての個人の希望等について述べたものではなく、政府としても御指摘のような考えや判断をしているものではない。

四について

 社会保障審議会の人口構造の変化に関する特別部会において本年一月に取りまとめられた議論の整理では、国民の結婚や出生行動に関する選択には多様な要素が関係していると考えられ、そのすべてについて分析、考慮を加えることは難しいとした上で、近年進められている各種の調査や研究の結果から示唆されるものとして、経済的基盤の有無及び雇用やキャリアの将来の見通しや安定性、子育てをしながら就業を継続できる見通しの有無及び仕事と家庭生活の調和の確保の度合い、夫婦間の家事や育児の分担度合い、育児不安の度合いなどが結婚や出生行動に影響を及ぼしていると考えられる要素として整理されている。
 政府としては、これまでにも、平成十六年十二月に少子化社会対策会議において決定された「少子化社会対策大綱に基づく重点施策の具体的実施計画について(子ども・子育て応援プラン)」等に基づき、各種の施策を推進してきたところであるが、今後、当該議論の整理等も踏まえ、「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議において、効果的な対策の再構築・実行を図るための検討をさらに進めていくこととしている。
 また、これまで推進してきた施策の内容及び目標については、既に、「子ども・子育て応援プラン」等において公表しているほか、少子化社会対策関係予算の内容や各施策の実施状況等については、少子化社会対策基本法(平成十五年法律第百三十三号)第九条の規定に基づき国会に提出した「少子化の状況及び少子化に対処するために講じた施策の概況に関する報告書」において公表している。