第166回国会(常会)
質問第五五号 森林行政・労働行政における林業労働力に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成十九年六月二十八日 福島 みずほ
参議院議長 扇 千景 殿 森林行政・労働行政における林業労働力に関する質問主意書 平成八年、「林業労働力の確保の促進に関する法律」が制定され、同法に基づき基本方針が掲げられ、様々な対策が講じられてきたところである。しかし、現在の林業労働者の現状は、平成八年当時と比べ、改善が図られるどころかむしろ悪化の傾向にあると考えられる。政府は、国として責任を持った、森林管理、国土保全、環境保全、木材の安定的な供給を行うべきであり、そのために不可欠な林業労働力を確保し、早急に「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づく施策を方針どおり推進するとともに、追加的な新たな施策を展開し処遇の改善を行い優秀な林業労働者の確保を図るべきであると考える。 そこで、以下質問する。 一 「林業労働力の確保の促進に関する法律」の成立以降、事業主、林業労働者の雇用管理の状況が改善されたと言い難い状況にあるが、これまでに政府はどのような対策を講じ、どのような効果が得られたと認識しているのか明らかにされたい。 二 雇用管理の改善を促進するための措置として、雇用管理の明確化、雇用の安定化、労働条件の改善などが考えられる。しかし、雇用管理の明確化については、依然として、雇入時に雇用通知書が交付されない、有給休暇が付与されないなどの問題が、雇用の安定化については、事業量の安定確保が図れず、機械化、新規採用ができない事業体が多く存在するなどの問題が、労働条件の改善については、労働時間の短縮が進まない、社会保険に未加入で、重大災害も多発しており、災害防止対策の展開が難しいなど、労働基準法すら遵守されず、改善とは程遠い状況が続いている。 また、事業体の育成整備については、現在、造林・生産事業を担っているのは、中小・零細のものがほとんどであるが、地域振興への貢献、安全対策、森林整備・林業技術等の経験において、重要な蓄積の下で経営が図られている。今後、国の事業が一般競争入札方式に変わろうとしているが、こうした実情をいかに加味し事業体の育成を図るかが課題となっている。 現在の対策では、多くの効果が上がっていないが、快適な職場環境形成、事業体育成整備に向け、今後政府はどのような対策を講じるのか明らかにされたい。 三 その他林業労働力の確保の促進に関する重要事項として、山村地域の定住条件の整備、林業労働者の社会的評価の向上が掲げられているが、これまでにどのような対策が講じられたのか明らかにされたい。また、重要事項でありながら、状況が好転していないとすれば、今後どのような対策を講じるのか明らかにされたい。 右質問する。 |