質問主意書

第166回国会(常会)

質問主意書


質問第二六号

都道府県が発注する公共事業の竣工式の実施等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年四月十三日

荒井 広幸   


       参議院議長 扇 千景 殿



   都道府県が発注する公共事業の竣工式の実施等に関する質問主意書

 私は新党日本の議員であるが、参議院で一人であるので無所属扱いとなっている。このため、国政一般について幅広く質疑を行うことができる予算委員会、決算委員会には割当がないことから、質問主意書という手法で政府の姿勢を問うものである。
 都道府県が発注する公共事業に関しては、全国で様々な問題が発生している。例えば、福島県の公共事業をめぐる談合事件では、前知事側が県発注の公共事業における談合に深くかかわり、公判の過程で明らかになったその構造は、前知事側と懇意の人物が仕切役として談合に関与し、ゼネコンは談合による落札価格の数パーセントを仕切役に謝礼として支払い、その金銭が仕切役から前知事側に流れ、知事選や県内の衆院選等の選挙資金として県議会議員、選挙対策本部等に分配されるというものであったと報じられている。さらに、この仕切役は、談合に関与するほか、違法な選挙活動や政治資金パーティー券の購入のあっせん等も行っていたと報じられている。また、本年三月に竣工した同県小野町のこまちダムの入札に関しても、前述の仕切役が談合に関与し、いわゆる天の声を発したことを公判の中で明らかにしたと報じられている。
 こうした公共事業の実態は、全国的に見て決して特異な事例ではなく、むしろ一般的な事例であると言われており、その結果、国民の税金が無駄に使われ、公共事業に対する信頼が失われている。都道府県の発注する公共事業については、一義的には当該自治体自身の問題ではあるものの、国からの補助が行われているものもあることから、政府において都道府県の発注する公共事業等について、実態を把握する必要があるとの考えのもと、以下質問する。

一 都道府県の発注した公共事業の竣工時には、都道府県主催の竣工式や受注企業主催の修祓式が当たり前に行われているのか。また、行われている場合、式典の費用は誰が負担しているのか明らかにされたい。

二 都道府県の発注した公共事業の竣工時には、竣工式や修祓式を行わなければならないのか。それらの必要性の有無について政府の見解を示されたい。また起工式等についても同様に明らかにされたい。

三 都道府県の発注した公共事業において、当該事業の入札に談合の疑いがあること等を理由に、竣工式又は修祓式を自粛した例はあるのか明らかにされたい。

四 修祓式に知事が出席し、玉串の奉奠を行うことは、一般的に行われているのか。また、行われている場合、その費用負担者について明らかにされたい。

五 受注企業が主催者である修祓式に、発注者である知事が出席し玉串の奉奠を行うことは、受注者と発注者のけじめをなくし、両者の結びつきを強め、ひいては両者の癒着を助長するおそれがあり、取りやめるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

六 竣工式では、知事の氏名を刻した記念碑等の除幕が行われているケースがあるが、当該記念碑等の作成経費の負担の実情を明らかにされたい。

七 知事の氏名を刻した記念碑等の建立は、修祓式への知事の出席と同様、受注者と発注者の結びつきを強め、両者の癒着を助長するおそれがあり、やめるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。また、知事の氏名を刻した記念碑等の建立は、選挙運動に該当し、公職選挙法に抵触する可能性があるのではないかと考えるが、政府の見解を示されたい。

八 都道府県が発注した公共事業に係る記念碑等に関しては、問題となる点が多い。過去五年間に全国で建立された記念碑等について、作成経費の負担の実情や刻されている内容の実態を明らかにされたい。

九 真に必要な公共事業は行うべきではあるものの、イメージが必要以上に悪くなっているので、「公共事業」という通称をやめ、「みんなの財産」という通称に改名してはどうかと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。