質問主意書

第166回国会(常会)

質問主意書


質問第二〇号

安倍内閣総理大臣の防衛大学校卒業式における訓辞に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年三月二十六日

喜納 昌吉   


       参議院議長 扇 千景 殿



   安倍内閣総理大臣の防衛大学校卒業式における訓辞に関する質問主意書

 安倍内閣総理大臣は、今月十八日の防衛大学校卒業式における訓辞で、将来自衛隊幹部となる卒業生に対し「自主的な決断」をするよう訴えており、文民統制(シビリアン・コントロール)との関係上、問題があると受け止められる。
 そこで、以下質問する。

一 安倍内閣総理大臣は訓辞で「防衛省設置はシビリアン・コントロールへの自信を示した」と述べている。防衛庁から防衛省への昇格が、なぜ「シビリアン・コントロールへの自信」を示すことになるのか、明らかにされたい。

二 安倍内閣総理大臣は訓辞で「思索し決断する幹部であってほしい」と呼び掛けるとともに、故チャーチル英国元首相の言葉を例に挙げつつ、「特に申し上げたいのは、諸君が将来直面するであろう危機に臨んでは、右と左を足して二で割るような結論が、こうした状況に真に適合したものとはならない」ことと前置きし、「様々な情報を幅広く収集し、情勢を的確に分析し、時に応じて自らの信じるところに従って的確な決断をすることが必要となる」と発言している。この発言は、幹部候補生たちに「シビリアン・コントロールを時には逸脱しても良い場合がある」との誤解を与えたり、曲解されたりする恐れがあると危惧する。安倍内閣総理大臣の見解を示されたい。

三 安倍内閣総理大臣は、前記「的確な決断」の「バックボーンになるのは、広い視野と高い教養だ」という「理念」を打ち出している。ここに「シビリアン・コントロールへの揺るぎない従属心」といった文言を入れるべきではなかったかと考えるが、安倍内閣総理大臣の見解を示されたい。

  右質問する。