質問主意書

第165回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四一号

内閣参質一六五第四一号
  平成十八年十二月二十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員喜納昌吉君提出北大西洋条約機構との軍事提携に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員喜納昌吉君提出北大西洋条約機構との軍事提携に関する質問に対する答弁書

一について

 冷戦終結後の国際社会の安全保障環境の大きな変化を受け、北大西洋条約機構(以下「NATO」という。)は、国際的な平和と安定のための取組を強化し、その一環として域外国との関係強化にも積極的に取り組んでいると承知している。また、我が国も、国際社会の平和と安定に寄与するために、日米同盟と国際協調を外交の基本として、各国や国際連合等の国際機関とも緊密に協力しているところである。
 このような我が国とNATOの取組は、基本的に、その目的及び方向性を同じくしており、両者の関係強化の積極的意義は増大しつつあると認識している。
 こうした観点から、本年十一月二十九日のNATO首脳会合において、我が国を含む非NATO加盟国との会合の開催、NATO主催のセミナー等への招待等を通じたNATOと非加盟国との関係強化に関して一致がみられたことは、歓迎すべきものであると考えている。

二について

 NATOとの関係強化に関する我が国の考え方については、本年五月の麻生外務大臣のNATO訪問の際の演説、国会の関連する委員会での答弁等において明らかにしてきており、今後とも機会をとらえて内外に説明していく考えである。

三について

 御指摘の「在日米軍と自衛隊との連携関係がそのままNATOとの連携関係を構成すること」の意味が必ずしも明らかではないが、日本国とアメリカ合衆国との相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)を基礎とする我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊と自衛隊との関係と、我が国が非加盟国であるNATOと自衛隊との関係とは別のものである。

四について

 我が国とNATOとの関係強化が憲法の範囲内で行われることは当然である。

五について

 我が国は、NATOやその加盟国との間で緊密に連絡をとっているが、御指摘のような「対日連携強化を共同声明に盛り込むよう、NATO側に働きかけた」との事実はない。

六について

 お尋ねの「日本の軍事的進出」の意味が必ずしも明らかではないが、我が国とNATOとの関係強化は国際社会全体の平和と安定に寄与するものであると考えている。