第165回国会(臨時会)
答弁書第三七号 内閣参質一六五第三七号 平成十八年十二月二十日 内閣総理大臣 安倍 晋三
参議院議長 扇 千景 殿 参議院議員辻泰弘君提出進行性化骨筋炎の特定疾患治療研究事業指定に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員辻泰弘君提出進行性化骨筋炎の特定疾患治療研究事業指定に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの進行性化骨筋炎の患者数等については、政府として独自に把握していないが、海外での研究によると、進行性化骨筋炎の患者数は、人口約百六十万人に一人、患者の平均寿命は約四十五歳とされている。また、病状については、軟部組織に異所性の骨が形成されることにより、全身の運動障害や呼吸障害が発生するものと承知している。 二について 政府の研究事業においては、これまで進行性化骨筋炎に関する研究及び実態調査は行われていないと承知しているが、これについては、医学・医療の専門家から構成される特定疾患対策懇談会の議論の結果を踏まえ、対応してまいりたい。 三について 進行性化骨筋炎については、病状等について必ずしも明らかにされておらず、医師、看護師等の医療従事者に確立された知識として周知する段階には至っておらず、また、医学教育における取組状況についても把握していない。 四について 進行性化骨筋炎は、平成十八年度第一回ないし第三回特定疾患対策懇談会において、特定疾患への指定に関する要望書等が提出されている疾患の一つとして紹介されたところであり、その取扱いについては、今後、同懇談会において議論されることとなる。 五について 特定疾患治療研究事業の対象疾患については、特定疾患対策懇談会において選定することとされているが本年十二月十一日に開催された同懇談会においては、本年度中に、新たな対象疾患の選定について議論を行うこととされたところであり、政府としては、この議論の結果を踏まえて対応してまいりたい。 六について 特定疾患治療研究事業については、その対象となる疾病の実態等が明らかになっていないことから、公費負担医療の対象者を法定せず、治療研究に係る予算補助事業として実施し、その解明を行っているものである。 七について 特定疾患治療研究事業の法制化については、事業の根拠が明確となる長所や柔軟な制度の運営が阻害される短所等から賛否両論があり、政府としては、これらの意見があることも踏まえ、今後、慎重に検討してまいりたい。 |