質問主意書

第165回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二五号

内閣参質一六五第二五号
  平成十八年十二月一日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員大久保勉君提出柔道整復師の往療料に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大久保勉君提出柔道整復師の往療料に関する再質問に対する答弁書

一について

 柔道整復師の施術(以下単に「施術」という。)に係る療養費の算定項目は診療報酬の算定項目に比べて数が少なく施術料金の算定方法の簡素化を図る必要性が低いこと、また、療養費は、療養の給付等を行うことが困難であると保険者が認めるときなど例外的な場合に限ってこれに代えて支給されるものである上、療養費として支給される往療料は、下肢の骨折等による歩行困難等真に安静を必要とするやむを得ない理由により患家の求めに応じて患家に赴き施術を行った場合に限り算定できることとしているなど、在宅での施術を例外的なものと位置付けており、これに対する評価の充実を図る必要性が低いことから、往療料について往診料と同様の考え方に基づいて改定を行うことは適当ではないと考える。

二について

 療養費については、診療報酬の算定方法に準拠して算出した額を一応の標準として保険者がその額を定めるものであり、往療料の算定根拠となる「柔道整復師の施術料金の算定方法」(昭和三十三年九月三十日付け保発第六十四号厚生省保険局長通知)についても保険者がその額を定めるに当たっての一応の標準となるものにすぎないことから、厚生労働大臣が行う診療報酬の改定についての中央社会保険医療協議会に対する諮問のように審議会等の意見を求める必要はないと考える。

三について

 お尋ねの「絶対的理由の例」としては、患家の所在地から片道十六キロメートル以内に保険医療機関及び柔道整復師の施術所が存在せず下肢の骨折等のため当該患家の所在地に最も近い柔道整復師の施術所からの往療を受けざるを得ない事情が存在することなどが挙げられる。このような理由がない場合には片道十六キロメートルを超える往療を受ける必要がないと判断されるものであり、そもそも行く必要のない場所での施術を保険給付の対象としないものである。また、お尋ねの柔道整復師の施術所の所在地と患家の所在地との間の距離が片道十六キロメートルを超える場合の療養費の取扱いについては、中央社会保険医療協議会における関係者間の議論を経て定められた医師の往診に係る診療報酬の取扱いに準じているものである。