質問主意書

第165回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二二号

内閣参質一六五第二二号
  平成十八年十一月二十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員大久保勉君提出市場公募地方債の発行条件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員大久保勉君提出市場公募地方債の発行条件に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「市場公募地方債(九月債)の発行に係る条件交渉・決定について」(平成十八年八月十四日付け総務省自治財政局地方債課事務連絡)及び「個別条件交渉方式への移行について」(平成十八年八月十四日付け総務省自治財政局地方債課事務連絡)(以下「両事務連絡」という。)は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十五条の四第一項に規定する「技術的な助言」である。「技術的な助言」は、普通地方公共団体の事務の運営その他について適切と認める事項を示すものである。

二について

 平成十八年六月時点における公正取引委員会の見解については、市場公募地方債の統一条件交渉方式に関する総務省からの照会に対して、口頭で回答した。
 また、総務省から、御指摘の両事務連絡に公正取引委員会の見解を記載するために、その見解を記載した文書の提出を求められたため、これを受け、公正取引委員会では、その見解について、それまでの協議において示していた口頭での回答内容の正確性を期することが重要と判断した。御指摘の文書については、平成十八年八月十四日に総務省に交付したものである。
 なお、総務省は、地方自治法第二百四十七条第一項の規定により地方公共団体に対する技術的助言については「書面の交付を求められたときは、これを交付しなければならない。」こととされていることから、それまでの協議において示されていた口頭での回答内容に基づいて地方公共団体に対して技術的助言を行うためには、公正取引委員会からの書面回答が必要であると判断し、公正取引委員会に対して回答は文書で行うことを求めたものである。

三について

 平成十八年七月三日に開催された全国都道府県財政課長及び市町村担当課長会議において、地方債協議制度移行に関する留意事項についての説明の中で、総務省自治財政局地方債課長が、「総務省として五月より個別債の条件交渉に関与しないこととした」旨を説明しているが、お尋ねのような発言は行っていない。

四について

 平成十八年六月に口頭で示された公正取引委員会の見解については、地方公共団体等の照会に応じて口頭回答した。

五について

 共同発行市場公募地方債は地方財政法(昭和二十三年法律第百九号)第五条の七の規定に基づき地方公共団体が共同して発行しているものであり、平成十八年八月十四日付けの公正取引委員会の個別債の統一条件交渉に関する見解とは関わりがないと認識している。

六について

 総務省として、個別発行の市場公募地方債については、従来よりそれぞれの地方公共団体が自ら交渉して、自主的に条件を決めていくことが、今後の基本的な姿であると考えており、前記七月三日の会議でも、そのことについて総務省自治財政局地方債課長から説明しているところである。
 また、平成十八年八月十四日の「早急に、市場公募地方債の発行条件の統一条件交渉方式の廃止に向けた具体的な検討が行われることが競争政策上望ましい。」との、公正取引委員会の見解を踏まえ、速やかにその内容を伝達し、その見解に基づき次回の起債である九月債の発行以降、個別条件交渉方式に移行することを検討するよう要請するため、技術的助言として、両事務連絡を同日付で送付したものである。

七について

 平成十八年九月以降の市場公募地方債の発行条件については、各地方公共団体が個別に入札や条件交渉を行った結果であり、発行時期や市場の動向等様々な要因を反映したものと考えられ、一概に判断することは困難である。