質問主意書

第165回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第九号

内閣参質一六五第九号
  平成十八年十月二十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員白眞勲君提出北朝鮮によるミサイル実験及び核実験と日朝平壌宣言等との関係等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員白眞勲君提出北朝鮮によるミサイル実験及び核実験と日朝平壌宣言等との関係等に関する質問に対する答弁書

一の1及び2について

 国際連合安全保障理事会決議第一六九五号(以下「本件決議」という。)は、国際連合憲章第七章への明示的な言及はないが、国際連合加盟国に対して、拘束力のある決議であると理解している。

一の3について

 御指摘の発言に示された認識に変わりはない。

一の4について

 本件決議文中の御指摘の語は、国際連合加盟国に対して、拘束力を有するものであると理解している。

一の5について

 外務省としては、現在までに少なくとも米国、豪州及び韓国は、本件決議に基づく措置を講じている旨を対外的に説明しているものと承知している。他方、北朝鮮は、本件決議の採択直後にその受入れを拒否する旨を表明したことからも明らかなように、本件決議を遵守していないものと理解している。

一の6について

 政府としては、本件決議を踏まえ、外交経路等を通じ、精力的に各国に働きかけを行っているところである。

一の7について

 日朝平壌宣言に明記されたミサイル発射のモラトリアムについては、累次の国会答弁において述べてきているとおり、我が国の安全に直接かかわるミサイルの発射を対象とするものであり、七月五日の北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、同宣言に違反するものである。

二の1並びに6の(一)及び(二)について

 日朝平壌宣言は、条約法に関するウィーン条約(昭和五十六年条約第十六号)第二条1(a)に規定する条約ではないが、日朝双方の首脳の議論の結果として日朝関係の今後の在り方を記したものであると認識している。外務省としては、北朝鮮による本年七月五日の弾道ミサイルの発射及び北朝鮮による核実験は、同宣言に違反するものであると認識しているが、同宣言において確認された事項が誠実に実施されることが重要であると考えており、北朝鮮に対し、引き続き、同宣言を遵守するよう求めてまいりたい。

二の2から4までについて

 日朝平壌宣言においては、我が国及び北朝鮮は、国際法を遵守し、互いの安全を脅かす行動をとらないことを確認したこと、朝鮮半島の核問題の包括的な解決のため、関連するすべての国際的合意を遵守することを確認したこと、核問題を含む安全保障上の諸問題に関し、関係諸国間の対話を促進し、問題解決を図ることの必要性を確認したこと等が明記されている。北朝鮮による核実験は、このような同宣言に違反するものであり、北朝鮮が同宣言を遵守しているものとは考えられない。

二の5について

 外務省としては、日朝平壌宣言において確認された事項が誠実に実施されることが重要であると考えており、北朝鮮に対し、引き続き、日朝双方の首脳の議論の結果として日朝関係の今後の在り方を記した同宣言を遵守するよう求めてまいりたい。

二の7について

 ある事態が、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律(平成十一年法律第六十号)第一条に規定する周辺事態に該当するか否かについては、その時点の状況を総合的に勘案して判断すべきものである。先般の北朝鮮による核実験実施の発表を踏まえて、政府として今後いかなる対応をとるかについては、あらゆる観点から検討していきたいと考えている。

二の8について

 御指摘の「臨検(船舶検査活動)」がどのようなものを意味するか必ずしも明らかではないが、少なくとも、周辺事態に際して実施する船舶検査活動に関する法律(平成十二年法律第百四十五号)第二条に規定する船舶検査活動は、周辺事態に際し、実施されるものであり、周辺事態以外の場合において実施されることはない。